血液検査の項目一覧と見方
血液検査の項目一覧と見方
血液検査の項目は、結果票に略語が並ぶため、どこを見ればよいのか分かりにくいものです。健康診断や人間ドックの血液検査では、貧血、肝臓、腎臓、脂質、血糖、炎症、栄養状態などを大まかに確認します。
外来でよく聞かれるのは、「血液検査の項目が多くて意味が分からない」「再検査と書かれたが急ぐのか」「むくみがあるとき、血液検査で何を見るのか」「前日の食事で結果が変わるのか」という相談です。結果票の基準範囲から少し外れただけで病気が決まるわけではなく、症状、過去の結果、薬、食事、採血の条件を合わせて見ます。
このページでは、結果票に並ぶ項目をどう読むか、健診で再検査と言われたときの受け止め方、採血が痛い・怖いときの伝え方、手術前に血液検査で見られやすい内容まで、患者さんが次に何をすればよいかに絞って説明します。

血液検査は、ひとつの数値だけで判断するより、同じ目的の項目をまとまりで見るほうが読みやすくなります。健康診断の結果票では、検査会社や健診機関によって並び順や基準範囲が違います。
| まとまり | 主な項目 | 見ていること | 相談が必要になりやすい例 |
|---|---|---|---|
| 血算 | 白血球、赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板 | 貧血、感染や炎症の反応、血が止まりやすいかの手がかり | 強い貧血、白血球の大きな増減、血小板の大きな低下 |
| 肝機能 | AST、ALT、γ-GT、ALP、ビリルビン | 肝臓や胆道への負担、飲酒、脂肪肝、薬の影響など | 黄疸、強いだるさ、尿の色が濃い、数値が前回より大きく上がった |
| 腎機能 | クレアチニン、eGFR、尿素窒素、電解質 | 腎臓のろ過、脱水、薬の影響、体内の塩分バランス | むくみ、尿量の変化、息切れ、高血圧、糖尿病がある |
| 脂質 | LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、Non-HDLコレステロール | 動脈硬化に関わる脂質の状態 | 高値が続く、糖尿病や高血圧を合併、家族歴がある |
| 血糖 | 空腹時血糖、随時血糖、HbA1c | その時点の血糖と、過去しばらくの血糖傾向 | のどの渇き、体重減少、尿が多い、HbA1c高値 |
| 栄養・たんぱく | 総蛋白、アルブミン | 栄養状態、肝臓・腎臓・炎症の影響 | むくみ、体重減少、食事量低下、尿蛋白を指摘された |
| 炎症 | CRP、白血球 | 感染症や炎症の反応 | 発熱、強い腹痛、長引く咳、原因不明のだるさ |
| 甲状腺など | TSH、FT4、必要に応じたホルモン項目 | 代謝、動悸、体重変化、むくみの原因候補 | 動悸、手の震え、強い寒がり、体重変化、月経の乱れ |
表は、結果票を読む入口です。たとえばむくみでは、腎機能だけでなく、尿検査、アルブミン、肝機能、甲状腺、心臓の状態、薬の影響まで広げて考えます。血液検査だけで原因をひとつに決めるより、診察と組み合わせて判断する流れになります。
健康診断や人間ドック全体の位置づけは、人間ドックのページで案内しています。健診前の飲食について詳しく知りたい場合は、健診当日の飲み物・食事の注意点も参考になります。
血算は、血液の細胞成分を見る基本的な検査です。白血球、赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板が中心で、健康診断の結果票にもよく載ります。
ヘモグロビンが低いと貧血の評価に進みます。赤血球の大きさを示すMCVなどが載っている場合は、鉄不足が疑われるタイプなのか、ビタミン不足や慢性疾患の影響を考えるタイプなのかを分ける手がかりになります。
ヘモグロビンは、酸素を運ぶ赤血球の中の成分です。低い場合は、息切れ、動悸、立ちくらみ、疲れやすさにつながる場合があります。症状が軽い方でも、少しずつ低下していると体が慣れてしまい、気づきにくくなります。
男性や閉経後の女性で鉄欠乏性貧血を指摘された場合、胃や大腸からの出血が隠れていないかを考えます。便が黒い、便に血が混じる、便潜血陽性、体重減少がある場合は、胃や大腸の確認が必要になります。胃の症状や貧血の精査では横浜の胃カメラ、便潜血陽性や血便を伴う場合は横浜の大腸カメラが関係します。
白血球は、感染症や炎症、薬、喫煙、ストレスなどで増減します。CRPは炎症反応のひとつで、発熱や腹痛、肺炎、胆のう炎、腸炎などの場面で上がる場合があります。
白血球やCRPが高いだけで、どこに炎症があるかは決まりません。腹痛、下痢、咳、排尿時の痛み、皮膚の赤みなど、症状の場所を合わせて考えます。消化器症状がある場合は、消化器内科で血液検査、腹部エコー、内視鏡、画像検査などを組み合わせて原因を確認します。
血小板は出血を止める働きに関わります。低い場合は出血しやすさ、高い場合は炎症や鉄欠乏、まれな血液疾患などを考えます。
鼻血が止まりにくい、歯ぐきから出血する、皮膚に紫色の斑点が増えた、血尿や血便がある場合は、数値の程度にかかわらず早めに相談してください。抗血栓薬を飲んでいる方は、薬名も結果票と一緒に見せると判断しやすくなります。
肝機能の欄では、AST、ALT、γ-GTがよく見られます。特定健診でも、肝機能検査としてAST、ALT、γ-GTが基本項目に含まれています[1]。
ASTとALTは肝臓の細胞への負担を反映しやすい項目です。ただしASTは筋肉など肝臓以外の影響も受けます。γ-GTは飲酒、脂肪肝、胆道系の負担、薬の影響などで上がる場合があります。
健診で肝機能が少し高いだけで、すぐ重い病気という意味ではありません。一方で、脂肪肝、ウイルス性肝炎、胆石、薬剤性肝障害など、生活習慣だけでは片づけられない原因もあります。
尿の色が濃い、皮膚や白目が黄色い、強いだるさ、右上腹部の痛み、発熱を伴う場合は、早めに医療機関へ相談してください。前回より急に上がった、毎回高い、飲酒量を減らしても下がらない場合も確認が必要です。
採血前の飲酒、激しい運動、脱水、薬やサプリメントで、肝機能や筋肉由来の項目が変わる場合があります。結果が予想外だったときは、採血前の過ごし方も医師に伝えてください。
健康診断の血液検査で前日食事をどうすればよいかは、検査内容で変わります。特に中性脂肪や血糖は食事の影響を受けやすいため、健診機関からの案内に沿うことが大事です。
健診結果で脂質や血糖の数値を見るとき、年齢は気になる要素です。ただ、同じ数値でも、年齢だけで判断は終わりません。血圧、喫煙、糖尿病、腎機能、家族歴、過去の心筋梗塞や脳卒中の有無で、対応の重みが変わります。
脂質ではLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、Non-HDLコレステロールを見ます。血糖では空腹時血糖、随時血糖、HbA1cを組み合わせます。HbA1cは、採血時だけでなく過去しばらくの血糖傾向を見る項目です。
中性脂肪と血糖は、食事の影響を受けやすい項目です。特定健診では、空腹時中性脂肪、やむを得ない場合の随時中性脂肪、空腹時血糖、HbA1c、随時血糖が扱われます[1]。
前日に脂っこい食事や飲酒が多かった、採血の直前に糖分を含む飲み物を飲んだ、指示と違う時間に食事をした場合は、結果の読み方が変わります。結果票だけを見て落ち込む前に、採血条件を確認してください。
採血前に食べてしまった場合は、受付や採血時に伝えてください。検査をそのまま行うか、項目によって別日にするか、結果の解釈で考慮するかは、健診の内容で変わります。
特に糖分を含む飲み物、乳製品、菓子、アルコールは結果に関わりやすいものです。水やお茶だけならよい場合も多いですが、具体的な指示は受ける健診の案内を優先してください。
むくみがあるときは、血液検査でクレアチニン、eGFR、尿素窒素、ナトリウム、カリウム、アルブミン、肝機能、甲状腺関連項目などを見ます。尿検査の蛋白や潜血も大事です。
腎臓の評価では、血液中のクレアチニンからeGFRを推算し、尿中アルブミンや尿蛋白と合わせて見ます。NIDDKは、腎臓病の確認にGFRを見る血液検査と、尿中アルブミンを見る尿検査を用いると説明しています[2]。
両足がむくむ場合は、腎臓、心臓、肝臓、甲状腺、低栄養、薬の影響など、全身の原因を考えます。片足だけ急に腫れた場合は、血栓、感染、けが、血管やリンパの流れの問題を考えます。
急に片足が腫れて痛い、息切れや胸の痛みを伴う、顔やまぶたのむくみが強い、尿が少ない場合は、通常の健診結果待ちにせず医療機関へ相談してください。
アルブミンは血液中のたんぱくのひとつで、低い場合は栄養不足だけでなく、肝臓で作る力、腎臓から漏れる状態、炎症、消化管からのたんぱく漏れなどを考えます。
むくみがあり、アルブミン低値や尿蛋白を指摘された場合は、結果票を持って受診してください。サプリメントや食事だけで判断せず、原因を分ける必要があります。
健診の結果票に血液検査の再検査と書かれても、すぐ病名が決まったわけではありません。再検査は、採血条件や一時的な変動を含めて、もう一度確認する意味合いがあります。要精密検査は、原因を絞るために追加の検査や診察が必要という意味です。
大切なのは、結果票の判定だけで自己判断しないことです。前回からの変化、複数項目の組み合わせ、症状、内服薬、家族歴を見て、受診の急ぎ具合を決めます。
基準範囲は、健康な人の多くが入る範囲を目安にしたものです。少し外れた数値が一度出ただけなら、体調、食事、脱水、運動、採血時間の影響も考えます。
一方で、毎年同じ項目が少しずつ悪化している場合は、今回の数値が軽く見えても確認したほうがよい場面があります。脂質、血糖、肝機能、腎機能は、過去の結果と並べて見ると変化が見えます。
受診時は、結果票の全ページを持参してください。異常項目だけを写真で見せるより、正常だった項目も含めて見たほうが判断しやすくなります。
薬を飲んでいる方は、お薬手帳も一緒に持参してください。脂質や肝機能、腎機能、カリウムなどは薬の影響を受ける場合があります。サプリメントや漢方薬も、分かる範囲で伝えてください。
血液検査の結果は、数値だけで急ぎ具合を決めるものではありません。症状の強さ、前回からの変化、複数項目の異常、持病の有無を合わせて見ます。
| 区分 | 目安 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 救急受診を考える | 胸痛、強い息切れ、意識がぼんやりする、黒い便や血便が続く、吐血、強い腹痛、黄疸が急に出た、片足だけ急に腫れて痛い | 結果票の判定を待たず、救急での評価を考える |
| 早めに受診 | 強い貧血、白血球や血小板の大きな異常、肝機能の急な悪化、腎機能低下、カリウム異常、発熱や体重減少を伴う異常 | 結果票と薬の情報を持って医療機関へ相談 |
| 近いうちに相談 | 脂質、血糖、肝機能、尿酸、腎機能が毎年悪化している、再検査や要精密検査が付いた、症状は軽いが不安が残る | 過去の結果も持参し、生活習慣と追加検査の要否を確認 |
| 様子を見てよい目安 | 軽い外れ値が一項目だけで、症状がなく、前回まで安定しており、採血前の食事や運動など説明しやすい要因がある | 次回健診までの経過を見るか、気になる場合は外来で確認 |
救急に当てはまる症状では、血液検査の項目名を自分で読み解くより、体の変化を見て急いで受診する判断が必要です。特に出血、強い息切れ、意識の変化、強い腹痛は待たない判断が必要です。
健診・人間ドックの結果で再検査や相談が必要と言われた場合、当院では一般内科で相談を受け付けています。消化器症状や貧血、便潜血陽性などが関係する場合は、消化器内科の内容も合わせて確認できます。
健康診断などの血液検査で、痛みや怖さが不安になる方はいます。採血を受ける患者を対象にした研究では、採血時に強い不安症状を示す人が一部におり、痛みや失神への恐れが不安反応と関連したと報告されています[3]。不安の強さは人によって違うため、我慢できるかどうかだけで判断しないで大丈夫です。
怖さが強い方、過去に気分が悪くなった方、血管が見つかりにくいと言われた方は、採血前に伝えてください。針を見ないようにする、ゆっくり呼吸する、不安が強いことを先に共有するなど、できる工夫があります。椅子に座ってから言い出しにくい方もいるため、受付の時点で分かると準備しやすくなります。
採血の痛みは、針を刺す以上、完全にはなくせません。ただ、緊張で息を止めると気分が悪くなりやすく、迷走神経反射でふらつく方もいます。
採血中は、腕の力を抜き、ゆっくり呼吸するほうが楽に感じやすくなります。過去に倒れた経験がある方は、椅子に座ってから言うのではなく、受付や採血担当者に先に伝えてください。
抗血栓薬を飲んでいる方、血小板が低いと言われた方、以前に採血後の内出血が大きかった方は、採血前に伝えてください。採血後は、腕を曲げて押さえるより、穿刺部をまっすぐ圧迫するほうが止血しやすい場合があります。
帰宅後に腫れや強い痛み、しびれが続く場合は、採血を受けた医療機関へ連絡してください。軽い青あざは時間とともに薄くなることが多いものの、症状が強いときは確認が必要です。
手術前の血液検査は、病気を見つける健診というより、手術や麻酔に向けて体の状態を確認する検査です。貧血、感染や炎症、腎機能、肝機能、電解質、血糖、凝固、感染症関連などが、手術内容や持病に応じて検討されます。
日本麻酔科学会の教育ガイドラインでは、術前評価で血算、生化学、検尿、凝固検査、呼吸機能検査などを扱っています[4]。ただし、全員に同じ項目を行うという意味ではありません。
腎機能や電解質は、麻酔薬、点滴、出血時の対応、術後の回復に関係します。カリウムなどの電解質が大きく外れていると、不整脈などのリスクを考える必要があります。
糖尿病がある方では、血糖やHbA1cの情報も手術前後の管理に関わります。普段の薬、インスリン、食事制限の予定は、手術を担当する医療機関の指示に従ってください。
手術前の血液検査で異常を指摘された場合、自己判断で薬を止めたり、別の医療機関で同じ検査だけを繰り返したりする前に、手術を担当する医療機関へ共有してください。
内科で相談する場合も、予定している手術名、手術日、麻酔の種類、指摘された項目、服薬内容が分かる資料があると話が進みます。検査値だけでなく、手術の緊急度も判断に関わります。
横浜駅前ながしまクリニックでは、健診・人間ドックの結果の再検査や相談を一般内科で受け付けています。血液検査の結果票で、貧血、肝機能、腎機能、脂質、血糖、炎症反応などを指摘された場合は、結果票をお持ちください。
消化器内科では、症状や問診をもとに、必要に応じて血液検査、レントゲン検査、腹部エコー検査、胃・大腸カメラ、CT、MRI検査などを用いて診断します。貧血や栄養状態、感染症の有無なども血液検査でおおまかに把握できます。
健診・人間ドックの結果について当院で相談する場合は、まず結果票をご用意ください。受診先を迷うときは、人間ドックや消化器内科の案内を確認し、胃や大腸の症状、便潜血陽性、貧血などが関係する場合は横浜の胃カメラ、横浜の大腸カメラのページも参考にしてください。
最初は、判定が付いている項目だけでなく、血算、肝機能、腎機能、脂質、血糖をまとまりで見ます。ひとつの軽い異常より、複数の項目が同じ方向に動いているか、前回より悪くなっているかが大事です。
中性脂肪や血糖は、食事や飲み物の影響を受けやすい項目です。飲酒、夜遅い食事、糖分を含む飲み物で結果の読み方が変わる場合があります。健診機関からの食事指示を優先してください。
症状がなく、軽い異常が一項目だけなら、過去の結果と比べたうえで、近いうちに医療機関で確認する形でよい場合があります。強い貧血、腎機能や電解質の大きな異常、黄疸、血便、強い息切れ、発熱を伴う場合は早めに受診してください。
クレアチニン、eGFR、尿素窒素、電解質、アルブミン、肝機能、甲状腺関連項目などを考えます。尿蛋白や尿潜血など尿検査も重要です。片足だけ急に腫れた場合は血液検査だけで様子を見る問題ではありません。
健診の種類や加入している保険者、職場健診、人間ドックのコースで項目は変わります。年齢だけでなく、生活習慣病、腎臓病、肝臓病、貧血、服薬状況、家族歴によって追加項目が検討されます。
怖さや過去の失神は、採血前に伝えてよい情報です。針を見ないようにする、ゆっくり呼吸する、不安が強いことを先に共有するなどの工夫ができます。健診自体を避け続けるより、先に不安を伝えて受け方を相談してください。
異常値があっても、すぐ中止と決まるわけではありません。手術内容、麻酔方法、異常の程度、持病、緊急度で判断が変わります。結果は手術を担当する医療機関へ共有し、必要に応じて内科で確認します。
写真でも確認できる場合はありますが、可能なら紙の結果票またはPDF全体を持参してください。判定が付いた項目だけでなく、正常だった項目、過去の結果、尿検査や心電図など周辺情報も判断に使います。
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット. 特定健康診査の検査項目. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-04-005
[2] National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Chronic Kidney Disease Tests & Diagnosis. https://www.niddk.nih.gov/health-information/kidney-disease/chronic-kidney-disease-ckd/tests-diagnosis
[3] Deacon B, Abramowitz J. Fear of needles and vasovagal reactions among phlebotomy patients. PubMed. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16460906/
[4] 日本麻酔科学会. 教育ガイドライン -術前-. https://anesth.or.jp/files/pdf/kyoiku4_20220627.pdf

更新日 2026-10-13
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