
便潜血陽性
便潜血陽性
便潜血とは、肉眼では見えない微量な血液が便に混じっている状態を指します。この血液は肉眼では確認できないことがほとんどであり、特殊な検査を行うことで初めて判明します。便潜血は主に消化管のどこかに異常がある可能性が高いサインであり、大腸がんやポリープ、潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患、痔などの早期発見に重要な役割を果たします。便潜血検査は、便中の血液の有無を調べる簡便な検査で、特に大腸がんのスクリーニングとして広く用いられています。日本では40歳以上を対象とした健康診断に組み込まれることが多く、便中に含まれるヘモグロビンを検出し、異常の有無を調べます。
便潜血検査で陽性が出た場合、消化管のどこかで出血が起きている可能性が考えられます。陽性結果が出た場合は、出血の原因を特定するために追加の検査が必要です。一般的には大腸カメラ(内視鏡検査)や場合によっては胃カメラが行われます。
便潜血検査で陽性が出る原因には、消化管内のさまざまな病気が考えられます。しかし、陽性であることは「がん」や「重大な病気」と必ず結びつくわけではありません。主な原因として、大腸がんやポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの上部消化管疾患です。また、便秘などを契機とした痔や裂肛による出血、食事による腸管粘膜障害などが原因となることもあります。大病ではない可能性もありますが、陽性が出た場合には大腸カメラ検査を受けることが推奨されます。この検査では、消化管の状態を直接観察することで原因を特定します。
便潜血検査が陽性であった場合の大腸がんの発見率は約5〜10%程度とされています。一見「陽性=高確率でがんの診断になる」という印象に思えますが、大腸ポリープが発見される確率は20〜30%となっています。大腸ポリープは放置をするとがん化する可能性があります。そのため、陽性の診断になった際には精密検査を受けることは非常に重要です。
便潜血陽性を放置すると、重大な疾患を見逃す可能性があります。大腸がんやポリープ、炎症性腸疾患などが原因である場合、早期発見が遅れることで症状が進行し、治療に難渋することになります。特に大腸がんは早期では無症状のことが多く、初期段階では完治率が高いものの、検査を受けずに放置すると血便や他の臓器への遠隔転移転移や腸閉塞、腸管穿孔など命に関わるリスクが高まります。また、炎症性腸疾患の場合、腸粘膜の炎症が増悪し、潰瘍、出血などが広がり、重度の貧血、体重減少、栄養不良などを引き起こす可能性もあります。さらに重症化する場合には全身に炎症が広がる場合、腸管穿孔を来たす可能性もあります。健康維持のために、便潜血陽性の診断を受けた際は必ず精密検査を受けましょう。
健康診断などで便潜血陽性の診断を受けた場合、大腸カメラ検査をお勧めしております。当院では内視鏡施行の前に事前外来にて検査の予約をお願いしています。事前外来の際に必要な採血検査(感染症、貧血などの確認は必須となります)を行い、検査当日の流れ、下剤内服等についてご説明させていただきます。
当院の大腸カメラ検査は一般検診での内視鏡と異なり、鎮静剤を使用し眠った状態で検査を受けることが可能です。はじめての検査で不安が強い方、以前の内視鏡検査で腹部膨満や疼痛で苦痛だった方などは鎮静剤の使用をお勧めします。内視鏡の挿入方法は軸保持法という方法を用いており、できる限り患者様に苦痛を与えない方法で内視鏡の挿入を行っています。
便潜血検査はあくまでスクリーニング検査と呼ばれる無症状の人の中から病気を見つける検査であり、陽性率は検査を受けた人の10%程度とされています。そのため検査結果で異常がないとされた場合でも完全に異常がないとは言い切れません。40歳を過ぎると大腸ポリープや大腸がんのできる確率は高くなります。そのため40歳以上の方、大腸ポリープの既往がある方、大腸ポリープ・大腸がんの家族歴がある方は定期的に大腸カメラ検査を受けられることをお勧めします。
大腸カメラ検査では腸内をきれいな状態にする必要があります。腸内に便や食物の残りがあると、視界不良になり正確な診断、病変の見逃しに繋がるため食事制限は非常に重要です。検査3日前〜前日までは消化しにくいもの、腸内に残りやすいもの(繊維質の多い食品、種子のある食品、脂っこい食品、アルコールを含む刺激物)は控え、消化の良いものを食べましょう。検査前日は早めに食事を切り上げ検査に備えてください。
内視鏡結果は検査後、診察にて結果をお伝えさせていただきます。検査時に生検検査やポリープ切除などを施行した場合、顕微鏡の検査に提出します。1週間ほどで顕微鏡検査結果が分かりますので、検査後再度外来の予約をお願いします。
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