注入軟膏の使い方について
注入軟膏の使い方について
いぼ痔(痔核)やきれ痔(裂肛)の治療では、肛門の中と外の両方に効く「注入軟膏」を処方することがよくあります。注入軟膏は、正しい使い方をすることで本来の効果をしっかり発揮するお薬です。このページでは、当院で処方する注入軟膏の使い方を、動画とイラストでわかりやすくご紹介します。
注入のしかた・注意点・使うタイミングまで、ひととおり動画で確認できます。はじめて使う方は、まず一度ご覧ください。
注入軟膏は、チューブの先に細いノズルがついたお薬です。ノズルを肛門に入れて肛門の中(内側)に注入することも、肛門の外側の患部に塗ることもできるため、いぼ痔・きれ痔の幅広い症状に対応できます。炎症や痛み・出血をおさえる成分が含まれており、当院ではステロイドを含む注入軟膏を処方することがあります。

キャップを外したら、チューブを軽く押して、ノズルの先端から軟膏を少しだけ出します。
先端に軟膏がついているとすべりが良くなり、ノズルがスムーズに入ります。痛みの軽減にもつながるので、このひと手間を忘れないようにしましょう。

リラックスして肛門の力を抜き、ノズル部分をゆっくり挿入します。息を吐きながら行うと、力が抜けやすくなります。
痛みが強いときは、無理に押し込まないでください。入りにくい場合は体勢を変えたり、先端の軟膏を少し多めに出したりすると入りやすくなります。

チューブのボディを押して、肛門の中(イラストの緑の部分)に軟膏をゆっくり注入します。
このとき、ボディを押したままノズルをゆっくり引いていくのがコツです。肛門の奥から手前まで、まんべんなくお薬が行きわたります。

きれ痔や外側のいぼ痔など、肛門の外側に症状がある場合は、清潔にした指に患部をおおえる量の軟膏をとり、そのまま患部にやさしく塗ります。
直接塗りにくい場合は、ガーゼに軟膏をのばして患部にあてる方法もあります。
注入するときは力を抜いて、やさしく入れてください。痛みを我慢して無理に押し込むと、患部を傷つけてしまうことがあります。どうしても入らない・痛みが強い場合は、外側への塗布にとどめて、診察時にご相談ください。
軟膏の性質上、使用後に下着がベタつくことがあります。気になる場合は、ガーゼやナプキンをあてておくと快適に過ごせます。
当院で処方する注入軟膏には、炎症をしっかりおさえるためにステロイドが含まれているものがあります。患部に直接作用する局所のお薬なので、原則として全身への影響はありません。ご安心のうえ、処方された期間・回数を守ってお使いください。自己判断で長期間使い続けることは避け、使用中に気になることがあれば診察時にお知らせください。
注入軟膏は、排便のあとに使うのが基本です。注入してすぐに排便すると、お薬が便と一緒に出てしまい、効果が弱まってしまいます。ご自身の排便リズムに合わせて、次のタイミングを目安にしてください。
寝る前、または朝の排便後がおすすめです。
夜の排便後、または起床時がおすすめです。
注入軟膏は、続けて使うことで効果を発揮するお薬です。軟膏だけで症状が改善する方も多くいらっしゃいます。症状が軽くなっても自己判断で中止せず、処方どおりに使いましょう。
便秘や下痢は、いぼ痔・きれ痔を悪化させる大きな原因です。軟膏による治療と並行して、便通をコントロールすることがとても重要です。便秘や下痢でお悩みの方は、お薬による便通管理もできますので、診察時にご相談ください。
少量がにじみ出てくるのは珍しいことではありません。気になる場合はガーゼやナプキンをあててください。注入後すぐに排便するとお薬が出てしまうため、排便のあとに使うようにしましょう。
無理に押し込まないでください。先端から軟膏を多めに出してすべりを良くする、息を吐いて力を抜く、体勢を変えるなどで入りやすくなることがあります。それでも難しい場合は外側への塗布にとどめ、診察時にご相談ください。
自己判断での中止はおすすめしません。表面の症状が落ち着いても、患部の炎症が残っていることがあります。処方された期間は使い切り、その後の使い方は診察時にご確認ください。
お薬の種類によって対応が異なります。妊娠中・授乳中の方、その可能性のある方は、処方の際に必ずお申し出ください。状態に合わせて適切なお薬をご提案します。

横浜駅前ながしまクリニック 院長 長島 周平
日本内科学会 内科認定医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医
市中病院、大学病院で幅広く研鑽を積んだ後、神奈川県立がんセンターでも長く勤務し、
消化器疾患の診療および内視鏡診療に従事してきました。これまでの経験を活かし、
専門性とわかりやすさを大切にした医療を提供しています。
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