食道静脈瘤とは|肝臓の病気とつながる血管のこぶ
食道静脈瘤とは|肝臓の病気とつながる血管のこぶ
食道静脈瘤とは、食道の粘膜の下を走る静脈が、こぶのように膨らんだ状態です。肝硬変などで肝臓へ流れる血液が通りにくくなり、食道側の血管に負担がかかることで生じます。見つかっただけで出血や余命が決まる病気ではありませんが、症状がなくても出血の危険度を調べる必要があります。血を吐いた、黒く粘りのある便が出たという場合は、通常の検査予約を待たず救急受診が必要です。[1,2]

検査で初めて見つかった場合と、すでに出血している場合では対応が違います。まず現在の状況と、医師から伝えられた所見を確認することが出発点です。
| 今の状況・疑問 | 考え方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 胃カメラで見つかったが症状はない | 症状だけでは破裂の危険度は分からない | 大きさ、赤い所見、予防治療の必要性 |
| 肝硬変がある | 食道の血管と肝臓の状態を併せて評価 | 最近の胃カメラ、血液検査、腹部の画像検査 |
| 血を吐いた・タール状の黒い便が出た | 消化管からの出血を疑う | 救急受診。冷汗や失神があれば119番 |
| 治療後にPPIが出た | 胃酸を抑え、処置後の潰瘍などに用いる薬 | 処方の目的、服用期間、見直しの時期 |
| 治療して小さくなった | 門脈圧が高い状態が残れば再発にも注意 | 次の検査日と肝臓の治療方針 |
同じ病名でも、経過観察が適する方と、出血前に治療を考える方がいます。本人の自覚症状だけでどちらかを決めることはできません。
胃や腸などから肝臓へ血液を運ぶ太い血管を門脈と呼びます。肝臓には、運ばれてきた栄養を処理し、体に必要な物質を作る働きがあります。肝硬変で肝臓の中に線維が増えると、血液が流れる経路の抵抗が大きくなるのです。[1]
その結果、門脈側の圧力が高くなった状態が門脈圧亢進症です。血液の一部が肝臓を迂回する経路へ回り、食道や胃の周囲にある静脈へ流れ込むと、細い血管が拡張して静脈瘤を作ります。食道にできる病変でも、背景には腹部の血液の流れが関わっています。[1,2]
食べ物が詰まってできたこぶでも、食道の粘膜にできるポリープでもありません。血管そのものの変化なので、治療では血液の通り道や肝臓の働きまで考える必要があります。
肝硬変の背景には、B型・C型肝炎、長期の多量飲酒、代謝異常と関連する脂肪性肝疾患、自己免疫による肝臓の病気などがあります。お酒を飲まない方でも、食道静脈瘤ができる原因はあるということです。[1]
脂肪肝を指摘された方全員に静脈瘤があるわけではありません。肝臓の線維化がどの程度進んでいるか、門脈圧が高いことを示す所見があるかで評価は変わります。以前の健診で肝機能の異常を指摘されていた場合は、その結果も診断の手がかりになります。
門脈に血栓ができて流れが妨げられる病気など、肝硬変以外の原因もあります。静脈瘤が見つかったことだけを根拠に、肝硬変や飲酒が原因と決めつけることはできません。原因に応じて治療も異なるため、肝臓と血管の検査を組み合わせます。[3]
門脈圧は、家庭の血圧計で腕から測る血圧とは別です。普段の血圧が正常でも、門脈圧亢進症を否定する材料にはなりません。逆に、高血圧があるだけで食道静脈瘤ができているともいえません。
静脈瘤の治療に血圧や脈拍を下げる種類の薬が登場するのは、門脈へ流れ込む血液を減らす作用も利用するためです。ただし、普段の降圧薬を飲んでいれば代用できるわけではなく、薬の種類と使う目的を区別します。[2,3]
食道静脈瘤は、自覚症状のないまま胃カメラで見つかる場合があります。食事が普通に取れる、胸が痛くない、体調がよいといったことだけで、出血しないと判断することはできません。肝臓の病気がある方では、症状を待たずに検査の必要性を判断します。[1]
食道に病変があると聞くと、胸やけや飲み込みづらさを想像する方もいます。ただ、これらは食道静脈瘤に特有の症状ではありません。逆流性食道炎や食道の運動の異常など、別の原因を調べる必要もあります。
飲み込みづらさが続く、食事量が減った、体重が意図せず減っている場合は、静脈瘤があるからだと済ませず受診してください。症状と検査所見が結びつくかを確かめることが必要です。
静脈瘤が破れて出血すると、赤い血を吐くほか、胃の中にたまった血が暗い色の吐物として出たり、黒い便として排出されたりします。黒く粘りのある便はタール便と呼ばれます。出血量や出血からの時間によって見え方は異なり、鮮血が見えない場合にも注意が必要です。[1]
失血が進むと、めまい、動悸、息切れ、冷汗、意識が遠のく感じを伴う方がいます。出血していても腹痛が目立たない例があるため、痛みの強さを受診の判断基準にしないでください。
血を吐く原因には、胃・十二指腸潰瘍や、嘔吐に伴って粘膜が裂ける病気などもあります。別の原因についてはマロリー・ワイス症候群とは|嘔吐のあとに血を吐いたときでも扱っていますが、出血中に自宅で病名を絞り込む必要はありません。
食道静脈瘤そのものを、お腹の表面から見たり触ったりして確認することはできません。診察でお腹を調べるのは、背景にある肝臓の病気や門脈圧亢進症の手がかりを探すためです。
肝硬変では、腹水によるお腹の膨らみ、脾臓の腫れ、腹部の表面の血管が目立つといった所見を認める方がいます。黄疸や足のむくみなども併せて確認する項目です。こうした変化が目立たなくても、食道静脈瘤を否定することはできません。[1]
お腹が張るだけで腹水と決まるわけではなく、便秘やガスなども候補になります。いつから変化したか、体重がどう動いたか、服や靴がきつくなったかといった情報は診察に役立ちますが、自己診断のために強くお腹を押す必要はありません。
吐血やタール便がある場合は、下の3区分よりも救急対応が優先です。静脈瘤を指摘されている方は、過去の出血や治療の有無も救急の担当者に伝える情報になります。
血を吐いた、黒く粘りのある便が出た場合は、速やかに救急外来を受診してください。大量の吐血、繰り返す吐血、冷汗、立てないほどのふらつき、失神、呼びかけへの反応が鈍い状態なら119番へ連絡してください。いったん血が止まったように見えても、再出血の評価が必要です。
救急車を待つ間は自分で運転せず、飲食を控え、救急隊の指示に従ってください。本人が吐いている、または意識がはっきりしないときに、周囲の方が水や薬を無理に飲ませることは避ける必要があります。薬の一覧や治療先の情報がすぐ分かれば役立ちますが、準備のために通報を遅らせないことが先です。
| 区分 | 目安 | 行動 |
|---|---|---|
| 早めに受診 | 新たに増えた腹部の張り、黄疸、むくみ、強いだるさなど。吐血やタール便はない | 肝臓の主治医または消化器内科へ早めに相談してください。急な悪化、強い腹痛、意識の変化は救急受診 |
| 近いうちに相談 | 健診や胃カメラで静脈瘤を指摘されたが、症状も今後の方針の説明もない | 検査結果を持参し、危険度と次の検査・治療の時期を確認してください |
| 様子を見てよい目安 | 医師が経過観察と判断し、次の検査が決まっていて、出血や新たな体調変化がない | 指示された通院・検査を継続。症状が出たら予定を待たず受診してください |
様子を見るとは、静脈瘤を放置する意味ではありません。医師が所見を確認したうえで決めた観察計画を続けることです。まだ評価を受けていない段階を、この区分に当てはめることはできません。
胃カメラは、食道から胃、十二指腸までの内側を観察する検査です。食道静脈瘤では、太さや盛り上がり、広がり、表面の赤い変化、出血した跡などを確認します。食道だけでなく胃にも静脈瘤がないかを見る理由は、場所によって治療方法が変わるためです。[1,2]
結果にF1・F2・F3などの記号が書かれていたら、主に静脈瘤の形や大きさの分類を表しています。RCという表記は、表面の赤い所見に関するものです。これらはがんの進行度を示すステージではありません。
大きな静脈瘤や赤い所見は、出血リスクを考えるうえで重視されます。ただし、記号だけで治療日や余命が決まるものではなく、肝機能、過去の出血、前回からの変化も必要です。結果を受け取る際には、経過観察なのか、予防治療を検討するのかまで分かる説明が判断の助けになります。[2]
血液検査では、貧血や血小板の数、肝臓の働きを示す項目、腎機能などを確認します。AST・ALTは肝細胞の障害をみる指標ですが、その値だけで肝臓の残された働きや静脈瘤の危険度を判断することはできません。
アルブミン、ビリルビン、血液の固まり方なども、肝臓の状態を評価する材料です。腹部エコーや必要に応じたCTなどでは、肝臓の形、脾臓、腹水、門脈の血流や血栓を調べます。内視鏡が食道の内側を見るのに対し、画像検査は周囲の臓器や血管のつながりを確認する役割があります。[1,3]
肝臓の硬さを測る検査と血小板数などを組み合わせ、胃カメラの必要性を判断できる患者群もあります。ただし、原因となる病気や治療状況によって適用条件は異なります。健診の数値だけを見て、自分で内視鏡検査を不要と判断する方法ではありません。[3]
過去の胃カメラ結果、静脈瘤の治療歴、肝臓の病名、最近の採血結果、お薬手帳があると、検査計画を考えやすくなります。吐血で入院した経験や、鎮静剤を使ったあとに強い眠気が残った経験も医療側が知っておきたい情報です。
血液を固まりにくくする薬を含め、処方薬を自己判断で中止せず、検査前に服用方法を確認してください。観察だけの検査か、治療を予定しているかでも判断は変わります。胃カメラの案内は横浜の胃カメラに掲載しています。
治療には、初めての出血を防ぐための予防治療、出血を止める緊急治療、止血後の再出血を防ぐ治療があります。同じ内視鏡治療でも目的が違うため、今どの段階の治療を受けるのかを知っておくと説明を理解しやすくなります。[2,4]
大きさや表面の所見などから出血リスクが高いと判断された場合は、血を吐く前に治療を検討します。すべての静脈瘤に処置が必要という意味ではありません。小さく出血リスクが低いと評価された場合は、定期的な検査で変化を追う選択もあります。
予防治療にも処置に伴う負担があるため、静脈瘤の状態だけでなく、肝臓や腎臓の働き、全身状態と釣り合う方法を選びます。経過観察を提案された場合でも、次に確認する時期と、早めに受診する症状を共有しておく必要があります。
内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)は、膨らんだ静脈瘤を内視鏡の先端で吸引し、小さな輪ゴムで縛る方法です。内視鏡的硬化療法(EIS)は、硬化剤を注入して静脈瘤などの血流を閉じる方法で、血管の走り方や病変に応じて使い分けます。[1,2]
| 方法 | 主な仕組み | 治療後に確認する点 |
|---|---|---|
| EVL(結紮術) | 輪ゴムで静脈瘤を縛って血流を遮断する | 処置部位の潰瘍、再出血、残った静脈瘤 |
| EIS(硬化療法) | 薬剤を注入して静脈瘤や関連する血流を閉じる | 潰瘍、出血、薬剤や処置に伴う合併症 |
| 門脈圧を下げる薬 | 門脈への血流などに働きかける | 血圧・脈拍・腎機能、薬が使える全身状態か |
どの方法にも得意な場面と注意点があります。内視鏡治療後は胸の痛みや飲み込みにくさが出る方がいて、潰瘍からの出血、食道が狭くなるなどの合併症にも注意が必要です。治療法の選択は、見た目の大きさだけでなく出血歴や肝機能を踏まえて行います。
治療が複数回に分かれる場合もあり、最初の処置だけで終了とは限りません。入院の要否や期間は、出血の有無、治療内容、肝臓の状態、経過によって異なります。検査と治療の入院の考え方は、胃カメラ・大腸カメラは入院が必要?日帰りの条件と入院の目安でも確認できます。
静脈瘤からの急な出血では、病院で呼吸や循環の状態を確認し、点滴、必要に応じた輸血、内視鏡による止血などを行います。肝硬変を伴う患者さんでは、感染症対策も含めた管理が必要です。止血だけでなく、肝臓や腎臓の状態も見ながら治療を進めます。[3,4]
内視鏡で止血が難しい場合や再出血リスクが高い場合には、血管内の治療などを専門施設で検討します。肝臓の中に血液の迂回路を作るTIPSも、その選択肢の一つです。すべての方に行う治療ではなく、肝機能や脳症のリスク、実施施設の体制などを踏まえた判断になります。[3,4]
胃静脈瘤を合併する場合は、血管のつながりに応じてBRTOなどの治療が候補になります。これはカテーテルで血流を調整しながら静脈瘤を閉じる方法です。食道静脈瘤の治療をそのまま胃へ当てはめられるわけではありません。[1,2]
PPI(プロトンポンプ阻害薬)は、胃酸の分泌を抑える薬です。食道静脈瘤に伴って処方されていても、門脈の圧力を下げたり、膨らんだ血管を直接閉じたりする薬ではありません。静脈瘤そのものへの治療と、処置後の粘膜への治療は目的が違います。
EVLで縛った部分には、その後に潰瘍ができます。この処置後の潰瘍に対してPPIが使われる場合があります。無作為化比較試験では、PPIを用いた群で処置後の潰瘍が小さかったと報告されていますが、症状や潰瘍の数には明確な差がありませんでした。[5]
日本の肝硬変診療ガイドラインでは、静脈瘤治療後の再出血予防を目的とする酸分泌抑制薬の短期間投与を提案しています。一方、肝硬変や静脈瘤があるという理由だけで、長く飲み続ければ出血を防げるとする説明は適切ではありません。[2]
国際的な合意文書Baveno VIIでも、急性静脈瘤出血で内視鏡前に開始したPPIは、継続する明確な理由がなければ処置後に中止する方針が示されています。処置後の潰瘍、逆流性食道炎、胃潰瘍など、続ける理由があるかを医師が判断するという考え方です。[3]
肝硬変の方では、必要性がはっきりしない長期服用を避ける視点も欠かせません。感染症などとの関連が報告されている一方、研究結果は一様ではなく、服用すればその副作用が起きるという意味ではありません。[2]
PPIを飲んでいる方は、処方の目的と服用期間を処方医に確認してください。静脈瘤の治療が終わったから不要だと自分で決めると、別の病気のために必要な薬を中断するおそれがあります。反対に、以前の薬が残っていても、出血を防ぐつもりで自分で再開することは適切ではありません。
門脈圧に働きかける薬として、非選択的β遮断薬が検討されます。海外の指針では、患者さんの状態に応じた出血予防や、内視鏡治療と組み合わせる再出血予防に位置づけられています。PPIとは作用する場所も目的も違う薬です。[3,4]
血圧が低い、脈が遅い、腎機能に問題があるなど、薬の選択や調整に慎重な判断が必要な方もいます。国内での使い方や適応は担当医が確認するため、海外の情報に書かれた薬や量をそのまま自己判断で用いることはできません。[2,3]
静脈瘤を観察しただけの胃カメラと、EVLやEISを行ったあとの食事は同じではありません。治療後は処置部位の潰瘍や出血の有無を見ながら、飲水と食事を再開します。食事の硬さや通常食に戻す時期は、治療を受けた医療機関の指示に従ってください。
退院後に食べ物が通りにくい、飲み込むと痛む、水分が取れない状態が続く場合は、食事内容だけの問題と考えず治療施設へ連絡してください。吐血やタール便を伴う場合は、食事を変えて待つ状況ではなく救急受診が必要です。
食事が血管のこぶに触れるのが怖くなり、必要以上に食事量を減らす方もいます。しかし、肝硬変では低栄養や筋肉量の低下も治療上の問題です。治療直後の制限が終わったあとまで、自己判断の絶食や極端な食事制限を続けることは避ける必要があります。[1,2]
腹水があれば塩分、糖尿病があれば食事量や内容など、配慮する点は人によって違います。たんぱく質も全員が一律に減らすものではありません。日常の食事は、静脈瘤の有無だけでなく肝臓の状態や栄養状態を踏まえて決めるものです。
飲酒が肝障害の原因となっている方では禁酒が治療の基本です。静脈瘤の処置を受けて小さくなっても、肝臓への負担を続けてよいという意味にはなりません。飲酒をやめることが難しい場合も、その状況を医師と共有することが治療につながります。[1]
内視鏡治療で見える静脈瘤を小さくできても、背景の門脈圧亢進症が残れば、再び静脈瘤が発達する場合があります。治療直後の確認と、その後の再発の確認は、別々に必要です。[2,4]
通院では、胃カメラだけでなく肝臓の原因治療や合併症の評価も続きます。検査間隔は、前回の所見、治療内容、肝機能、出血歴などによって変わるため、全員に同じ間隔を当てはめることはできません。症状がない期間も、次に何を確かめるための受診かが分かっていると予定を保ちやすくなります。
食道静脈瘤があるという病名だけで、余命を何年と決めることはできません。出血の有無、肝臓に残された働き、腹水や脳症、腎機能、感染症、肝がんの有無、原因に対する治療などで見通しは変わります。[1,3]
肝臓の働きが比較的保たれ、症状が目立たない段階でも静脈瘤を認める方がいます。一方、腹水や黄疸、肝性脳症などがあれば、肝臓全体の状態に合わせた治療が必要です。静脈瘤があることを、そのまま肝硬変の末期と読み替えることはできません。
肝機能の評価にはChild-Pugh分類などが用いられます。採血の数値に加えて腹水や脳症も含めて判断するため、一つの数値や内視鏡写真だけから決める評価ではありません。病状によって評価は変化し、治療後に改めて見直すことも必要です。[1,3]
一度出血した静脈瘤では、止血後の再出血予防が治療の大きな目的になります。出血が止まった時点の状態だけで、長期の見通しを決めることはできません。追加の内視鏡治療、薬の適否、肝臓の原因治療を含めて考えます。[3,4]
診察では、今の肝臓の働き、予防できる合併症、次に予定している治療を具体的に確かめることが役立ちます。一般的な生存率は一定の条件で集めた患者集団の結果であり、そのまま本人の残された時間を示す数字ではありません。
横浜駅前ながしまクリニックでは、食道・胃・十二指腸・大腸に加え、肝臓など消化器の病気を診療しています。診療内容は消化器内科に掲載しています。
当院の胃カメラは経口・経鼻に対応し、鎮静剤を用いる検査も行っています。食道静脈瘤を指摘された方では、胃カメラの所見と肝臓の評価を結びつけて考える必要があります。内視鏡検査全体の案内は、横浜の内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)|料金・当日対応をご覧ください。
吐血やタール便が出ている場合は、通常の外来予約を待つ状況ではありません。静脈瘤からの出血が疑われる際は、救急での評価と止血・入院管理ができる医療機関への受診が必要です。
食道静脈瘤は拡張した静脈であり、がんの前段階のこぶではありません。静脈瘤の主な問題は出血です。ただし、肝硬変に伴う肝がんの評価など、背景の病気に応じた検査は別に必要になります。[1]
小さければ経過観察を選ぶ場合がありますが、検査をやめてよいという意味ではありません。赤い所見、肝機能、以前の出血、前回からの変化を合わせて判断します。治療しない場合にも、次の評価時期を決めておく必要があります。[2]
お腹が膨らんでいない、血管が浮いていないというだけでは否定できません。腹部所見が目立たない段階もあり、血液検査や腹部の画像検査と併せて判断します。食道静脈瘤を自宅でお腹から確認する方法はありません。[1]
PPIは静脈瘤そのものを閉じる薬ではありません。治療後の潰瘍や胃酸に関連した病気に使う目的と、門脈圧や静脈瘤に対する治療は別です。服用中でも吐血やタール便があれば救急の評価が必要になります。[2,3]
出血の有無、処置の内容、貧血や肝機能の状態、仕事でかかる身体の負担によって変わります。観察だけの胃カメラ後の案内を、静脈瘤治療後へそのまま当てはめることはできません。退院時に食事、活動、通院の指示を受ける必要があります。
胃カメラは静脈瘤の診断や経過観察に用いる検査です。静脈瘤があることだけで受けられない検査になるわけではありません。既往や治療歴を踏まえて、観察と処置の計画、鎮静の方法などを医師が判断します。[1,2]
[1] 日本消化器病学会・日本肝臓学会 編.患者さんとご家族のための肝硬変ガイド2023.Q1・Q2・Q3・Q7ほか.
[2] 日本消化器病学会・日本肝臓学会 編.肝硬変診療ガイドライン2020(改訂第3版).消化管出血・門脈圧亢進症、CQ4-4・CQ4-5ほか.
[3] de Franchis R, et al. Baveno VII – Renewing consensus in portal hypertension. J Hepatol. 2022;76:959–974.
[4] Gralnek IM, et al. Endoscopic diagnosis and management of esophagogastric variceal hemorrhage: European Society of Gastrointestinal Endoscopy (ESGE) Guideline. Endoscopy. 2022;54:1094–1120.
[5] Shaheen NJ, et al. Pantoprazole reduces the size of postbanding ulcers after variceal band ligation: a randomized, controlled trial. Hepatology. 2005;41:588–594.
更新日 2026-10-27
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