PMS(月経前症候群)
PMS(月経前症候群)
生理(月経)が始まる3〜10日ほど前から、心や体に不調を感じる方は少なくありません。日本人女性の70〜80%が月経前に何らかの不調を自覚しており、そのうち一部の方は日常生活に支障が出るほどつらい症状を経験するとされています[参考文献1]。
多くの場合、生活習慣の見直しや症状の記録といったセルフケアで付き合い方が見えてくることもあります。一方で、症状が強く生活に支障が出ている場合や、生理前以外の時期にも不調がある場合は、婦人科での相談も選択肢のひとつです。
PMS(premenstrual syndrome)は、月経前の3〜10日間ほど続く心と体の不調で、月経が始まると自然に軽くなったり消えたりするのが特徴です[参考文献1]。
情緒が不安定になる、イライラする、気分が落ち込む、不安感、集中力の低下、眠気や不眠など。
頭痛・腹痛・腰痛、乳房の張り、むくみ、便秘、だるさ、過食や食欲の変化など。
はっきりした原因はまだ分かっていませんが、排卵後から月経前(黄体期)にかけての女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の変動が、脳内のホルモンや神経伝達物質のバランスに影響することが関係していると考えられています[参考文献1]。
心の症状が特に重く、日常生活が困難なほどの場合は、月経前不快気分障害(PMDD)と診断されることもあります[参考文献1]。
PMSとの付き合い方として、まず取り組みやすいのがセルフケアです。毎日の症状と月経周期を記録すると、自分の不調のパターンが見えやすくなります。日本産科婦人科学会も、症状日誌をつけて月経周期との関連を確認することを診断・対処の第一歩として挙げています[参考文献1]。米国産科婦人科学会(ACOG)も、2〜3ヶ月ほど毎日の症状と月経日を記録する方法を紹介しています[参考文献2]。
紙のカレンダーでも、スマートフォンの記録アプリでも、続けやすい方法で構いません。
食物繊維の多い穀類・野菜、カルシウム・亜鉛・マグネシウム・ビタミンB6を意識し、精製された糖分やアルコールは控えめにします[参考文献1]。
無理な夜更かしを避け、十分な休養をとることを意識します。
軽い運動やストレッチ、入浴など、リラックスできる時間を確保します。
症状が出やすい時期があらかじめ分かっていれば、その時期は仕事や家事を詰め込みすぎず、無理のないペースで過ごすことも一つの工夫です。詳しい解説は当院コラム「PMS(月経前症候群)・PMDDとは?」もご参照ください。
PMSの症状がセルフケアだけでは付き合いづらい、生活への影響が大きいと感じる場合、婦人科を受診して状態を確認するという選択肢もあります。
当院では、女性医師(副院長・長島麻子、日本産科婦人科学会 産婦人科専門医)が問診を中心に症状や月経周期の経過を伺い、必要に応じて血液検査や超音波検査で他の疾患が隠れていないかを確認します。診察でいきなり内診を行うことは基本的にありません。
治療の選択肢としては、低用量ピルによるホルモン療法、症状に応じた対症療法(鎮痛剤・抗不安薬など)、漢方薬による体質からのアプローチなどがあり、症状や希望に応じて相談しながら決めていく形になります。
PMSとPMDDの違いは何ですか。
PMSは月経前に心と体の不調が現れ、月経開始とともに軽快する状態全般を指します。PMDD(月経前不快気分障害)は、その中でも特に心の症状が重く、日常生活が困難になるほどの状態を指し、より踏み込んだ治療が検討されることがあります[参考文献1]。
自分でできるセルフチェックの方法はありますか。
毎日の症状と月経の日付を2〜3ヶ月ほど記録し、症状が月経前に繰り返し現れ月経開始後に軽くなるパターンかどうかを確認する方法があります[参考文献1・2]。紙の記録でもアプリでも構いません。
市販薬で様子を見てもよいですか。
頭痛や腹痛など体の症状には市販の鎮痛剤で対応できる場合もあります。ただし心の症状には市販薬では対応が難しいこともあり、症状が続いて生活に影響が出ている場合は、婦人科での相談も選択肢の一つです。
婦人科では何をするのですか。
まず症状や月経周期について問診で確認します。必要に応じて血液検査や超音波検査を行い、他の婦人科疾患が隠れていないかを確認することもあります。診察でいきなり内診を行うことは基本的にありません。
生理前以外の時期にも不調がある場合はどうしたらよいですか。
PMSは月経前の一定期間に症状が出るのが特徴のため、生理前以外にも症状が続く場合や不正出血・経血量の変化を伴う場合は、子宮筋腫や子宮内膜症など他の婦人科疾患の可能性も考えられます。心当たりのある方は各疾患のページもご参照ください。
症状記録アプリは役に立ちますか。
症状日誌をつけて月経周期との関連を確認することは、PMSの状態を把握するうえで役立つとされています[参考文献1・2]。特定のアプリを推奨するものではありませんが、続けやすい記録方法(アプリ・カレンダー・手帳など)を選ぶとよいでしょう。

副院長の長島麻子です。学生さんの不正出血・生理痛などの月経トラブルや、働く女性の子宮筋腫・子宮内膜症、PMS、子宮頸がん検診、ピルのご相談、更年期のお悩みまで、どんなライフステージでも「あなたらしく笑顔で過ごせる毎日」をサポートしたい。そんな想いで、私は診察室に立っています。
「ちょっと気になる」「誰に相談すればいいかわからない」「女性の産婦人科の先生、レディースクリニックにかかりたい」。そんなときはいつでも当院にお越しください。よろしくお願いいたします。
横浜駅前ながしまクリニック 副院長 長島麻子
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