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更年期の症状をセルフチェック|簡略更年期指数(SMI)で今の状態を確認する

2025年06月01日

更年期の症状をセルフチェック|簡略更年期指数(SMI)で今の状態を確認する

更年期とは、閉経をはさむ前後5年、合計約10年間を指す時期です。この間は女性ホルモン(エストロゲン)が上下しながら減っていき、のぼせや発汗、気分の落ち込みなど様々な症状が現れることがあります。

チェックリストと体温計、ハーブティーのイメージ

「なんだか調子が悪いんですが、これって更年期でしょうか」。婦人科の外来では、こうした相談を本当によく受けます。症状の出方は人によってさまざまで、比べる相手がいないぶん、自分の不調がどの程度のものか判断しにくいのが更年期のやっかいなところです。この記事では、症状の程度を自分で数値化できる「簡略更年期指数(SMI)」というセルフチェック表を中心に、更年期症状の特徴と、婦人科に相談したほうがよいタイミングをまとめました。受診の流れやホルモン補充療法(HRT)・漢方薬の詳しい内容は、当院の更年期障害の診療案内でご紹介しています。

更年期とはどのような時期ですか?

更年期とは、卵巣の働きが徐々に低下し月経が永久に止まる「閉経」の前後5年間、合計約10年間を指します。この間、女性ホルモンが上下しながら少しずつ減っていきます。

日本人女性の平均閉経年齢は50歳前後ですが個人差が大きく、早い方は40代前半で、遅い方は50代後半で閉経を迎えます [1]。この時期は、女性ホルモン(エストロゲン)が一定のペースで下がるのではなく、上がったり下がったりを繰り返しながら少しずつ減っていきます。私たちが問診でまず確認するのは、この揺らぎが自律神経の乱れとなって現れているかどうかです。症状が軽く日常生活に支障がなければ様子を見て差し支えないことも多いのですが、生活に支障をきたすほど重い状態は「更年期障害」と呼ばれ、治療の対象になります [1][2]。

更年期にはどのような症状がありますか?

更年期症状は、自律神経の乱れによるもの・身体的な症状・精神的な症状の3つに大きく分けられます。症状の現れ方や強さには個人差が大きく、ほとんど気にならずに過ごせる方もいれば、複数の症状が重なってつらい思いをする方もいます。

自律神経の乱れによる症状には、のぼせ・ほてり、発汗、動悸、頭痛、肩こりなどがあります。身体的な症状には、手足の冷え、息切れ、疲れやすさ、寝つきの悪さ、関節の痛みなどが含まれます。精神的な症状としては、イライラや気分の落ち込みが挙げられます [1][2]。以下に3つの分類と主な症状の例をまとめました。

分類 主な症状の例
自律神経の乱れ のぼせ・ほてり、発汗、動悸、頭痛、肩こり
身体的な症状 手足の冷え、息切れ、疲れやすさ、寝つきの悪さ、関節の痛み
精神的な症状 イライラ、気分の落ち込み

更年期症状をセルフチェックする方法はありますか?

「簡略更年期指数(SMI)」という10項目のチェック表を使うと、自分の症状の強さを点数として把握できます。「強い・中等度・弱い・なし」の4段階で自己採点し、合計点で目安を判断します。

自分の症状が更年期によるものか、どのくらいの強さなのかを大まかに把握する方法として広く使われているのが「簡略更年期指数(SMI)」です [3]。強い症状ほど配点が高く、なかでも寝つきの悪さや冷えは配点が大きめに設定されています。

症状 なし
1. 顔がほてる 10 6 3 0
2. 汗をかきやすい 10 6 3 0
3. 腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0
4. 息切れ、動悸がする 12 8 4 0
5. 寝つきが悪い、または眠りが浅い 14 9 5 0
6. 怒りやすく、すぐイライラする 12 8 4 0
7. くよくよしたり、憂うつになることがある 7 5 3 0
8. 頭痛、めまい、吐き気がよくある 7 5 3 0
9. 疲れやすい 7 4 2 0
10. 肩こり、腰痛、手足の痛みがある 7 5 3 0

目安は「強:毎日のように出現」「中:毎週みられる」「弱:症状として強くはないがある」です。10項目の点数を合計し、以下の表と照らし合わせてみてください [3]。

合計点 目安
0〜25点 上手に更年期を過ごせている状態です
26〜50点 食事・運動・生活様式に無理をしないよう注意しましょう
51〜65点 医師の診察を受け、生活指導やカウンセリング、薬物療法を検討したほうがよい段階です
66〜80点 半年以上の計画的な治療が必要になることが多い段階です
81〜100点 各科での精密検査を受け、更年期障害のみであれば専門医による長期的な対応が必要になる段階です

ただ、SMIはあくまで自己採点による目安で、これだけで更年期障害と診断が確定するわけではありません。似た症状は甲状腺の病気や貧血、うつ病など別の病気でも現れます。点数が高い場合はもちろん、点数が高くなくてもつらさを感じる場合は、婦人科での問診や血液検査とあわせて確認すると、原因の切り分けができます。甲状腺や貧血の検査は当院の内科でも対応しており、専門的な治療が必要と判断した場合は連携医療機関へご紹介します。なお当院の婦人科診療は月・火・木のみです。検査の詳しい流れは更年期障害の診療案内にまとめています。

SMIの点数が低くても注意すべきサインはありますか?

はい、2つあります。ひとつは月経周期の変化、もうひとつは閉経後の不正出血です。どちらもSMIの点数には現れにくいサインです。

更年期にさしかかると卵巣の働きが低下し始め、月経周期がまず短くなり、やがて長くなって閉経に近づいていきます。40歳を過ぎて月経周期が不規則になってきた場合は、その変化自体が更年期の始まりを示していることがあります。月経不順の原因は更年期以外にも複数あるため、当院の月経不順の診療案内もあわせてご参照ください。

もうひとつは、閉経後の不正出血です。日本産科婦人科学会の解説によると、子宮体がんで最も多い自覚症状は不正な性器出血であり、更年期や閉経後に出血を認めた場合はとくに注意して産婦人科を受診することが勧められています [4]。「更年期だから出血くらいあるだろう」と自己判断せず、閉経後の出血に気づいたら早めにご相談ください。当院の子宮体がんについてのページもご覧いただけます。

症状が重い場合、どのような治療の選択肢がありますか?

代表的な選択肢はホルモン補充療法(HRT)と漢方薬です。どちらが合うかは症状や体質によって変わります。

SMIの点数が高く、生活に支障が出ている場合は、治療の選択肢を相談する段階です。代表的な治療法のひとつがホルモン補充療法(HRT)で、減少したエストロゲンを内服・貼付剤・ジェルなどで補います。子宮のある方はプロゲステロン(黄体ホルモン)も併用し、子宮体がんのリスクを抑えます。HRTの効果や副作用、剤形ごとの違いは、当院コラム「更年期のホルモン補充療法(HRT)とは?効果・副作用と選び方」で詳しく解説しています。HRTは乳がんや血栓症の既往など、体の状態によって使えない場合があり、開始前に問診と検査で確認します。HRTが使えない方や、まずは体質から整えたい方には、当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸といった漢方薬も選択肢になります。どの治療が合うかは症状や体質によって変わるため、実際の選び方は診療案内のページで確認していただくのが確実です。

この記事と診療案内ページはどう違いますか?

この記事はSMIによる症状の数値化に重点を置き、診療案内ページは検査や治療の詳細を扱います。まずは自分の状態を確認したい方は、この記事から読み進めてください。

当院には、更年期障害の受診の流れや治療の詳細をまとめた更年期障害の診療案内もあります。そちらは検査内容やHRT・漢方薬の使い分けを扱う内容で、この記事はその手前の段階として、症状をSMIで数値化して把握することに重点を置いています。「まずは自分の状態を確認したい」方はこの記事を、「受診を検討している」方は診療案内のページをご覧いただくと、知りたい情報にたどり着きやすいと思います。

当院ではどのような対応ができますか?

血液検査や経腟超音波検査で他の病気が隠れていないかを確認したうえで、HRTや漢方薬など症状や体質に応じた治療をご提案しています。

当院の婦人科は横浜駅きた西口から徒歩約3分、女性医師の副院長・長島麻子(日本産科婦人科学会専門医)が診察を担当しています。SMIのセルフチェック結果をお持ちいただければ、問診の際の参考にもなります。血液検査や経腟超音波検査を通じて、他の病気が隠れていないかを確認したうえで、HRTや漢方薬など症状や体質に応じた治療をご提案しています。完全予約制のため、事前にお電話またはWeb予約システムからご予約ください。

よくある質問

SMIのセルフチェックは、何度も測っていいのでしょうか?

問題ありません。むしろ、月に1回程度など定期的につけて点数の変化を見ておくと、症状が悪化してきているのか、治療で落ち着いてきているのかを客観的に把握しやすくなります。受診時に点数の推移を持参いただくと、問診がスムーズに進みます。

SMIの点数はそれほど高くないのに、実際はつらいと感じるのはなぜ?

SMIは症状の頻度と強さを点数化した目安であり、点数に表れにくいつらさもあります。とくに気分の落ち込みや不安感といった精神的な症状は、点数以上に日常生活への影響が大きいことがあります。点数だけにとらわれず、生活のしづらさを感じたら相談していただいて構いません。

血液検査だけで更年期による症状かどうかわかりますか?

血液検査でホルモンの状態を確認することはできますが、それだけで判断するわけではありません。問診で症状や月経の状況をお聞きし、必要に応じて甲状腺機能の検査なども組み合わせて、他の病気が隠れていないかとあわせて確認していきます。

40歳より若い年代でも、SMIのようなチェックをしてみる意味はありますか?

あります。40歳未満でSMIの点数が高い場合や、月経不順を伴う場合は、更年期以外の原因が隠れていることもあるため、年齢にかかわらず一度婦人科で確認しておくことをおすすめします。自己判断で様子を見続けるより、症状の背景をはっきりさせておいたほうが今後の対応を考えやすくなります。

SMIの結果を持って受診したほうがいいですか?

持参いただけると助かります。症状の強さや期間を自分の言葉だけで伝えるより、点数という共通のものさしがあると、これまでの経過や治療の効果を診察の場で共有しやすくなります。手元になくても、当日に一緒に確認しながら問診することも可能です。

月経周期が不規則になってきただけでも、更年期と考えていいですか?

月経周期の変化は更年期のサインのひとつですが、それだけで更年期と断定はできません。SMIのセルフチェックとあわせて、気になる場合は婦人科でご確認ください。周期の乱れには更年期以外の原因が隠れていることもあるため、当院の月経不順の診療案内もあわせてご参照いただけます。

自律神経の症状以外に、どのような更年期症状がありますか?

身体的な症状として、手足の冷え、息切れ、疲れやすさ、寝つきの悪さ、関節の痛みなどがあります。精神的な症状として、イライラや気分の落ち込みが挙げられます。症状の現れ方や強さには個人差があり、複数の症状が重なる方もいます。

SMIの点数が51点以上だった場合、どうすればいいですか?

SMIの合計点が51〜65点は「医師の診察を受け、生活指導やカウンセリング、薬物療法を検討したほうがよい段階」とされています。点数が高いほど、婦人科での問診や検査を早めに受けておくことをおすすめします。

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監修:横浜駅前ながしまクリニック 副院長 長島麻子(産婦人科・日本産科婦人科学会専門医)

参考文献
[1] 公益社団法人 日本産科婦人科学会. 更年期障害.
[2] 一般社団法人 日本女性医学学会. よくある女性の病気 更年期女性に認められる症状.
[3] 東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科. 簡略更年期指数(自己採点チェックシート).
[4] 公益社団法人 日本産科婦人科学会. 子宮体がん.

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