子宮体がん
子宮体がん
子宮体がんは、子宮の奥にある「子宮体部」の内側を覆う子宮内膜から発生するがんで、子宮内膜がんとも呼ばれます[参考文献1]。子宮の入口にできる子宮頸がんとは、発生する場所・原因・検査方法・治療方針が異なる別の病気です[参考文献1・2]。
国内では2019年の罹患数は17,880人と報告されており、女性の48人に1人が子宮体がんにかかる計算になります[参考文献1]。日本産科婦人科学会も「毎年約18,000人の女性が子宮体がんにかかり、約2,500人の方が亡くなっています。婦人科のがんで最も多いのが子宮体がんで、今も年々増加しています」としています[参考文献2]。
発症年齢は、閉経前後の40代後半から増加し、50〜60代で発症のピークを迎えるとされています[参考文献1]。
原因については、女性ホルモンの一つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)が子宮内膜を厚くする働きに長期間さらされることが関係していると考えられています[参考文献1・3]。出産経験がない方、肥満、月経不順、糖尿病・高血圧などがある方はリスクが高いとされています[参考文献1・3]。
子宮体がんの代表的な症状は不正出血(不正性器出血)です[参考文献1・2]。出血は多量とは限らず、褐色のおりもの(帯下)だけの場合もあるため注意が必要とされています[参考文献1]。
次のような症状があるときは、婦人科の受診がすすめられています。
とくに更年期や閉経後に不正な出血があった場合は、婦人科を受診することがすすめられています[参考文献2]。不正出血について詳しく知りたい方は、当院コラム「不正出血」もご参照ください。
がんが進行すると、下腹部の痛み、性交時の痛み、腰痛、下肢のむくみなどの症状が現れることもあります[参考文献1・3]。
子宮内膜の厚みなどを確認します。痛みが少なくスクリーニングとして有用ですが、確定のためには組織診が必要です[参考文献1・4]。
子宮内膜の細胞や組織を採取します。がんが認められれば確定診断となります[参考文献1・4]。
がんと診断された場合は、広がりを調べるためMRI・CT・PET-CT検査などを行うことがあります[参考文献1・2]。
高齢の方やお産の経験がない方では子宮口が狭く検査が難しい場合や、痛みが強く十分な検体が採取できない場合もあり、その際は子宮口を広げる処置や麻酔下での検査を行うこともあります[参考文献1]。痛みに不安がある場合は、検査前に医師や看護師にお伝えください[参考文献4]。
詳しい画像検査や、子宮鏡検査など当院で対応が難しい検査が必要な場合は、連携している医療機関で実施します。
子宮体がんの治療は手術が中心となります[参考文献1・2]。手術後の病理診断をもとに進行期や再発リスクを評価し、必要に応じて化学療法・放射線治療などの追加治療を検討します[参考文献1]。
日本産科婦人科学会は、がんが子宮にとどまっている段階で発見できれば80%以上の方が良好な経過をたどるとし、初期症状である不正出血を見逃さないことの重要性を挙げています[参考文献2]。ただし治療成績はがんの進行度やタイプによって個人差があるため、詳しい見通しについては診断・治療を担当する医師の説明をご確認ください。
当院では手術・入院設備を持たないため、手術など詳しい治療が必要と判断した場合は、連携している医療機関へご紹介し、そちらで治療を受けていただく形になります。手術前の検査や、術後の外来でのフォローについては、可能な範囲で当院でも対応いたします。
急な大量出血や強い腹痛がある場合は、当院の診療時間外であっても、緊急対応が可能な医療機関の受診を検討してください。
子宮体がんと子宮頸がんはどう違いますか。
発生する場所が異なります。子宮体がんは子宮の奥にある「子宮体部」の内膜から発生し、子宮頸がんは子宮の入口の「子宮頸部」に発生します。原因・検査方法・治療方針も異なる別の病気です[参考文献1・2]。
不正出血があったらどうすればいいですか。
月経時以外の出血が続く場合は、早めに婦人科を受診することがすすめられています。少量の出血や褐色のおりものだけでも見逃さないことが大切です[参考文献1・2]。当院では女性医師が経腟超音波検査などでご相談に対応しています。
閉経後の出血は様子を見ていいですか。
閉経後の出血は、少量であっても婦人科の受診がすすめられています[参考文献2]。子宮体がんは閉経前後の40代後半から増加し、50〜60代で発症のピークを迎えるとされているため、閉経後に出血があった場合は早めのご相談をおすすめします[参考文献1]。
子宮体がんは検診で見つかりますか。
子宮頸がんとは異なり、子宮体がんは厚生労働省の指針に定められた対策型検診(自治体のがん検診)の対象にはなっていません[参考文献3]。そのため、不正出血などの症状があるときに婦人科を受診して調べることが、早期発見につながります[参考文献3]。
何歳くらいから注意が必要ですか。
子宮体がんは閉経前後の40代後半から増加し、50〜60代で発症のピークを迎えるとされています[参考文献1]。若い年代でも月経不順や肥満などのリスク因子がある場合は、年齢にかかわらず不正出血があれば婦人科にご相談ください[参考文献1・3]。
検査は痛いですか。
経腟超音波検査は痛みが少ない検査です[参考文献1・4]。子宮内膜細胞診・組織診では、子宮口から器具を挿入する際にチクッとした痛みや軽い不快感を伴うことがあります[参考文献1・4]。痛みが不安な場合は、検査前に医師や看護師にお伝えください[参考文献4]。

副院長の長島麻子です。学生さんの不正出血・生理痛などの月経トラブルや、働く女性の子宮筋腫・子宮内膜症、PMS、子宮頸がん検診、ピルのご相談、更年期のお悩みまで、どんなライフステージでも「あなたらしく笑顔で過ごせる毎日」をサポートしたい。そんな想いで、私は診察室に立っています。
「ちょっと気になる」「誰に相談すればいいかわからない」「女性の産婦人科の先生、レディースクリニックにかかりたい」。そんなときはいつでも当院にお越しください。よろしくお願いいたします。
横浜駅前ながしまクリニック 副院長 長島麻子
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