骨盤臓器脱
骨盤臓器脱
「なんだか下のほうに何かが下がってきている感じがする」「お風呂で体を洗っているときに、股のあたりにピンポン玉のようなものが触れる」そんな変化に気づいても、婦人科系のデリケートな悩みということもあり、誰にも相談できずに一人で抱えている方は少なくありません。
骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)は、出産や加齢などによって骨盤の底で子宮・膀胱・直腸を支えている組織がゆるみ、これらの臓器が腟のほうへ下がってくる状態です。恥ずかしさから受診をためらう方も多い症状ですが、決して珍しい病気ではありません。当院では女性医師(副院長・長島麻子)が診察を担当しており、周囲の目を気にせずご相談いただけます。気になる変化がある方は、まずは婦人科で状態を確認するところから始めてみませんか。
骨盤臓器脱とは、腟の前壁・後壁・腟の奥(子宮頸部や子宮、子宮摘出後は腟の断端)が下垂した状態と定義されています[参考文献1]。骨盤の底には、筋肉や靱帯、結合組織がハンモックのように張られており、子宮・膀胱・直腸などの臓器を支えています。この支持組織がゆるんだり傷んだりすると、臓器が本来の位置から腟のほうへ下がってきてしまいます[参考文献3]。
下がってくる臓器によって、次のように呼び分けられます。
子宮が腟の中、あるいは腟の外まで下がってくる状態です[参考文献3]。
膀胱が腟の前壁側に下がってくる状態です。頻尿や排尿困難などの症状を伴うことがあります[参考文献1・3]。
直腸が腟の後壁側に下がってくる状態です。排便がしづらくなることがあります[参考文献1・3]。
子宮摘出後などに腟の上部が下がってくる腟脱、小腸が下がり込んでくる小腸瘤もあります[参考文献1・3]。
多くの場合、複数の部位の下垂が組み合わさって起こります[参考文献3]。背景には、経腟分娩、加齢による組織の変化、肥満、子宮摘出などの手術歴、便秘でいきむ・重い物を持つ・慢性的な咳など腹圧がかかりやすい生活習慣が関係するとされています[参考文献3]。妊娠・出産の経験がない方でも、加齢によって骨盤底の支持組織が弱くなり、発症することがあります[参考文献3]。
骨盤臓器脱の症状として代表的なものは、次のとおりです[参考文献1・3]。
これらの症状は、長時間立っていたときや歩いたあと、夕方以降に強くなりやすく、横になって休むと軽くなる傾向があるとされています[参考文献1]。そのため、朝は気にならなくても夕方になると症状を自覚しやすい、という方もいます。
症状の程度は下垂の進み具合によって異なり、軽度のうちは高齢になるまで症状に気づかないこともあります[参考文献3]。一方で、下垂が進むと歩行時の痛みや、性交時の痛みを伴うこともあるとされています[参考文献3]。年齢に伴う女性の体調変化が気になる方は、更年期障害のページもご参照ください。
異物感や圧迫感、頻尿・尿もれ・排便のしづらさなどの症状、出産歴、手術歴、生活への影響を確認します。
腟鏡を用いて、いきんだ状態や咳をした状態で腟壁や子宮頸部の下がり具合を確認します[参考文献1・2]。
尿もれや排尿困難、便秘などの症状がある場合は、排尿状態を確認する検査を行うことがあります。
安静時だけでなく、腹圧をかけた状態で診察することで、症状が現れやすい状態を再現して確認します[参考文献3]。より詳しい機能検査(尿流動態検査や膀胱鏡検査など)が必要な場合は、連携している医療機関で実施しています[参考文献1・3]。
骨盤臓器脱への対応は、症状の程度や日常生活への影響に応じて選択されます。一般的な考え方として、以下のような整理がなされています。
どの方法が適しているかは、下垂の程度や症状、年齢、今後の生活の希望などによって一人ひとり異なります。まずは診察で状態を確認したうえで、選択肢について相談していくことが大切です。
当院では手術・入院設備を持たないため、手術が適応となる場合は連携している医療機関へご紹介し、そちらで治療を受けていただく形になります。ペッサリーによる治療の当院での実施可否については、恐れ入りますが受診時に直接ご確認ください。
「何かが下がってきている気がするけれど、これが何なのか分からない」という段階の方も、まずは診察で状態を確認するところから始められます。
骨盤臓器脱は何科を受診すればいいですか。
婦人科(産婦人科)・泌尿器科のどちらでも相談できる症状です。横浜駅前ながしまクリニックは女性医師(副院長・長島麻子)が婦人科診療を担当しており、内診・経腟超音波検査で状態を確認したうえで、専門的な治療が必要な場合は連携医療機関をご紹介します。まずはお近くの婦人科にご相談ください。
恥ずかしくて受診をためらっています。
デリケートな症状のため相談をためらう方は少なくありませんが、骨盤臓器脱は珍しい病気ではありません。横浜駅前ながしまクリニックは横浜駅きた西口から徒歩約3分の完全予約制で、女性医師が診察を担当しているため、周囲の目を気にせず通院いただけます。
自然に良くなることはありますか。
骨盤底の支持組織のゆるみそのものが自然に元へ戻ることは一般的に期待しにくいとされています。ただし軽度で症状がない場合は、特に治療をせず経過をみることもあります。気になる症状がある場合は、早めに検査で状態を確認することをおすすめします。
骨盤底筋体操(ケーゲル体操)は効果がありますか。
軽度の下垂であれば、骨盤底筋体操によって症状の改善や進行の予防が期待できるとされています。ただし中等度以上になると、体操だけでの改善は難しいとされています。まずは診察で程度を確認したうえで、体操が適しているか相談することをおすすめします。
手術をしないと駄目ですか。
手術が必要とは限りません。軽度であれば骨盤底筋体操や経過観察、ペッサリーといった手術以外の方法で対応することも多く、手術は症状が強い場合などに検討される選択肢の一つです。状態を確認したうえで、選択肢について相談しながら決めていくことができます。
放置するとどうなりますか。
軽度であれば長期間症状がほとんど変わらないこともありますが、進行すると重い感じや違和感が強くなったり、頻尿・尿もれ・排便のしづらさが目立つようになることがあります。急激に悪化するものではありませんが、気になる症状が続く場合は一度状態を確認しておくと安心です。
膀胱瘤(下腹部の膨らみや頻尿)も婦人科で相談できますか。
膀胱瘤は骨盤臓器脱の一種で、婦人科・泌尿器科のどちらでも相談可能です。横浜駅前ながしまクリニックでは内診・経腟超音波検査で膀胱瘤を含めた骨盤臓器脱の状態を確認し、頻尿や排尿困難などの症状もあわせてお伺いします。専門的な治療が必要な場合は連携医療機関をご紹介します。

副院長の長島麻子です。学生さんの不正出血・生理痛などの月経トラブルや、働く女性の子宮筋腫・子宮内膜症、PMS、子宮頸がん検診、ピルのご相談、更年期のお悩みまで、どんなライフステージでも「あなたらしく笑顔で過ごせる毎日」をサポートしたい。そんな想いで、私は診察室に立っています。
「ちょっと気になる」「誰に相談すればいいかわからない」「女性の産婦人科の先生、レディースクリニックにかかりたい」。そんなときはいつでも当院にお越しください。よろしくお願いいたします。
横浜駅前ながしまクリニック 副院長 長島麻子
TOP