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大腸がんの初期症状とは?見分け方と検査のタイミングを消化器内科医が解説

2026年05月15日

大腸がんの初期症状とは?見分け方と検査のタイミングを消化器内科医が解説

大腸がん(大腸癌)は早期にはほとんど自覚症状がなく、進行してから血便や便通の変化として気づかれることが少なくありません。40歳を過ぎたら検診を、症状があれば年齢にかかわらず大腸カメラの検討をおすすめします。

「まだ症状がないから大丈夫」と考えていませんか。大腸がんは早期なら内視鏡治療で対応できる場合がある一方、進行すると治療の選択肢が変わってきます。この記事では初期症状・原因・検診と精密検査の違い・予防を消化器内科医が解説し、近年報告されている50歳未満の若年層での増加も取り上げます。

大腸がんとはどのような病気ですか?

大腸がんは、大腸(結腸・直腸)の粘膜から発生するがんです。多くは大腸ポリープ(腺腫)という良性の隆起が変化して発生すると考えられています。加齢や家族歴、生活習慣なども関わっており、詳しくは後述します。

大腸がんの初期症状にはどんなものがありますか?

大腸がんは早期には自覚症状に乏しく、健診の便潜血検査や内視鏡検査で偶然見つかることも少なくありません。進行すると、血便、便が細くなる、便通の変化(下痢や便秘)、腹痛、体重減少や貧血などが現れることがあります。

段階 自覚症状の目安 具体例
早期(小さなポリープ・早期がん) 症状がないことが多い 便潜血検査や内視鏡検査で偶然見つかることがある
進行期 症状が現れることがある 血便、便が細くなる、便通の変化、腹痛、体重減少、貧血 など

症状の感じ方には個人差があり、当てはまらないから安心とは言い切れません。血便が気になる方は血便の原因は!?部位別チェックガイド、便が細い・残便感が続く方はこちらの記事、便潜血陽性と言われた方はこちらの記事もご覧ください。

大腸がんの危険因子にはどのようなものがありますか?

加齢のほか、家族歴、食生活の偏りや肥満、運動不足、喫煙、飲酒などの生活習慣が危険因子として指摘されています。該当しても必ずしも大腸がんになるわけではありませんが、家族歴や症状がある方は年齢にかかわらずご相談ください。

大腸がん検診(便潜血検査)と精密検査(大腸カメラ)は何が違いますか?

便潜血検査は症状のない方を対象にした検診、大腸カメラは病変の有無を直接確認する精密検査という位置づけの違いがあります。

便潜血検査 大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
主な目的 症状のない方を対象にした検診 精密検査・診断・治療
方法 自宅で便を採取して提出 内視鏡で大腸粘膜を直接観察
わかること 出血の有無の目安(陽性・陰性) ポリープやがんの有無・部位・性状を直接確認
その場での治療 できない ポリープがあれば適応に応じてその場で切除できる

国立がん研究センターの2024年度版ガイドラインでも、便潜血検査(免疫法)は対策型検診(住民健診)における推奨グレードAとされています [5]。ただし進行がんでも陽性にならないことがあるため、自覚症状があるなら便潜血の結果を待たずに大腸カメラを検討するのが妥当です。横浜市の大腸がん検診(便潜血)にも対応しています。何歳から検査を考えればよいかはこちらの記事、費用の目安はこちらの記事をご参照ください。

ポリープを切除すると大腸がんの予防につながりますか?

大腸がんの多くは、良性のポリープ(腺腫)が5〜10年程度かけて悪性化したものと考えられており、ポリープの段階で切除することが予防につながると考えられています。

当院では検査中にポリープが見つかった場合、適応があればその場で日帰り切除に対応しています。サイズや性状に応じて内視鏡的粘膜切除術(EMR)とコールドスネアポリペクトミー(CSP)を使い分け、10mm以下の良性ポリープには出血リスクの少ないCSPを積極的に選択しています。詳しくは日帰りポリープ切除のページをご覧ください。

大腸がんが早期に見つかった場合、内視鏡治療だけで対応できますか?

早期の大腸がんであれば、内視鏡治療で治癒が期待できる場合があります。ただし病期や病変の大きさ・深さによって方針は異なり、外科手術が必要になることもあります。当院には手術・入院の設備がないため、必要と判断した場合は連携する医療機関をご紹介しています。

若年層(50歳未満)でも大腸がんが増えているというのは本当ですか?

はい。世界190カ国以上を解析した Global Burden of Disease 2021 研究では、50歳未満の早期発症大腸がん(EOCRC)の罹患率が多くの国で上昇傾向にあり、2050年に向けてさらに増加すると予測されています [1]。米国では2030年までに、大腸がんが50歳未満のがん死亡原因の第1位になると見込まれています。国立がん研究センターも2025年12月、国際共同研究で日本を含む複数国で若年大腸がんの罹患・死亡が増加していることを確認したと公表しました [2]。日本の50歳未満の罹患数は世界5位という指摘もあります。

若年層で見逃されやすい症状のサインにはどのようなものがありますか?

JAMA Network Open 2024 掲載の系統的レビュー(Demb ら、約2,490万人・81研究の統合解析)では、若年発症大腸がん患者で頻度が高かった症状は、直腸出血(血便)約53%、腹痛約63%、便通の変化(下痢・便秘・便が細くなる)約54%、体重減少約32%でした [3]。こうしたサインは1つあるとリスク約1.9倍、2つで約3.6倍、3つで約6.5倍に高まり、初診から確定診断まで中央値で4〜6か月の遅れがあると指摘されています。「若いから違うはず」という油断が早期発見を妨げる要因になり得ます。腹部の痛みの位置はこちらの記事もご参照ください。

若年層でなぜ大腸がんが増えているのですか?

原因はひとつではなく、食生活の欧米化・肥満・運動不足・喫煙・飲酒など複数の要因が指摘されています。近年は腸内細菌が産生する毒素(コリバクチン)も注目されており、国立がん研究センターの2025年5月の全ゲノム解析報告では、日本人大腸がん患者の約5割にコリバクチン毒素による特徴的な変異パターンが認められ、若年症例では高齢症例の約3倍の頻度で見られました [4]。幼少期からの腸内環境が発がんリスクに関わる可能性が示唆されています。

どんな症状があれば受診したほうがよいですか?

以下に該当する方は、年齢にかかわらずご相談ください(症状の感じ方には個人差があります)。

  • 血便・粘血便がある
  • 便通(下痢/便秘)の状態が2週間以上変化している
  • 便が細くなった、残便感が続く
  • 説明のつかない体重減少や貧血を指摘された
  • 一親等以内に大腸がん・大腸ポリープの家族歴がある

横浜駅前ながしまクリニックの大腸カメラにはどのような特徴がありますか?

横浜駅きた西口から徒歩約3分の当院では、消化器内視鏡を専門とする院長が大腸カメラ(必要に応じて鎮静剤を併用)に対応し、当日の大腸カメラも毎日実施しています。血便・下血など緊急性が疑われるご相談にも毎日対応しています。検査中は大腸内視鏡用の半ズボンタイプの検査着を着用するため下半身が露出することはありません。「年齢的にまだ早いかも」と迷っている方こそ、お気軽にお問い合わせください。

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よくある質問

大腸がんの初期症状にはどんなものがありますか?

大腸がんは早期には自覚症状に乏しいことが多く、進行すると血便、便が細くなる、便通の変化、腹痛、体重減少や貧血などが現れることがあります。症状の感じ方には個人差があります。

大腸がんと大腸癌は同じ病気ですか?

はい、同じ病気を指します。「大腸がん」がひらがな表記、「大腸癌」が漢字表記で、医学文献では漢字表記が使われることもあります。

若くて症状がなければ大腸の検査は不要ですか?

検査の考え方は年齢や背景によって異なります。一方で、血便、便通の変化、便が細くなった、残便感、体重減少や貧血などがある場合は、年齢だけで様子を見ずに一度ご相談ください。

何歳から大腸カメラを考えればよいですか?

40歳を過ぎたら大腸がん検診として大腸カメラも視野に入れることをおすすめしています。50歳未満でも症状があれば年齢を理由に放置しないことが大切で、家族歴や症状がある方は年齢にかかわらずご相談ください。

ポリープが見つかったらどうなりますか?

適応があればその場で日帰り切除に対応しています。大きい・数が多いなどの場合は入院での切除をおすすめすることもあり、方針は検査前の診察でご説明します。

横浜市の大腸がん検診(便潜血)は当院で受けられますか?

はい、対応しています。持ち物や手順はお電話またはご来院時にご確認ください。

血便がありますが、痔だと思います。それでも受診が必要ですか?

血の色が赤いことから痔だと考える方は少なくありませんが、見た目だけで痔と大腸がんを区別することは容易ではありません。気になる血便が続く場合は自己判断せず消化器内科にご相談ください。

大腸カメラはつらくないか心配です。

当院では、必要に応じて鎮静剤を併用した大腸カメラに対応しています。胃カメラとの同日検査も可能で、当日対応枠もご相談いただけます。不安が強い方は予約時や診察時にお伝えください。

監修:横浜駅前ながしまクリニック 院長 長島周平(消化器内科/日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医・日本消化器病学会認定 消化器病専門医)
初回公開日:2026年5月15日/最終更新日:2026年8月19日

参考文献
[1] Wang Y, et al. Global, regional, and national burden of early-onset colorectal cancer and projection to 2050: an analysis based on the Global Burden of Disease Study 2021. eClinicalMedicine. 2024. PMID: 39700867
[2] 国立がん研究センター. 若年大腸がんと子宮体がんの罹患・死亡の増加を確認 ― 若年発症がんの病態解明の基盤となる国際共同研究成果. 2025年12月25日. https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2025/1225/index.html
[3] Demb J, Akinyemiju T, Allen I, et al. Red Flag Signs and Symptoms for Patients With Early-Onset Colorectal Cancer: A Systematic Review and Meta-Analysis. JAMA Netw Open. 2024;7(5):e2413157. PMID: 38787555
[4] 国立がん研究センター. 国際共同研究により大腸がんの全ゲノム解析を実施し日本人症例を解析 ― 日本人大腸がん患者さんの5割に特徴的な腸内細菌による発がん要因を発見. 2025年5月21日. https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2025/0521/index.html
[5] 国立がん研究センター 社会と健康研究センター. 有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン 2024年度版. 2024年11月. https://canscreen.ncc.go.jp/guideline/daicyougan.html

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