バリウム検査で「要精密検査」と言われたら|胃カメラでわかること|横浜市横浜駅前の消化器内科・婦人科・内科|横浜駅前ながしまクリニック

〒221-0835神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-11-8 4階

045-534-8147

Instagram 予約はこちらから LINE

バリウム検査で「要精密検査」と言われたら|胃カメラでわかること

2026年08月19日

バリウム検査で「要精密検査」と言われたら|胃カメラでわかること

健診でバリウム検査(胃部X線検査)を受けたあと、結果表に「要精密検査」「異常あり」と書かれているのを見て、慌てて外来にいらっしゃる方がいます。多くの方がまず気になるのは、「これはがんが見つかったということなのか」という点です。私たちが診察でまずお伝えするのは、要精密検査という判定そのものは、がんの診断ではなく「もう少し詳しく調べましょう」という案内だということです。

健診の結果から胃カメラ検査へ進むイメージイラスト

とはいえ、放っておいてよいわけでもありません。バリウム検査で異常を指摘された場合、次のステップとして胃カメラ(胃内視鏡検査)による精密検査が案内されるのが一般的です。ここでは、バリウム検査と胃カメラの違い、「要精密検査」の意味、精密検査を先延ばしにした場合に考えられることを順に整理します。

バリウム検査と胃カメラ、何が違うのか

同じ胃がん検診の方法でも、バリウム検査と胃カメラでは調べ方がまったく異なります。バリウム検査は、バリウムを飲んでX線で胃の形や粘膜の凹凸を撮影する検査です。一方、胃カメラは細いスコープを口または鼻から挿入し、食道や胃の中を直接カラー映像で観察します。両者の特徴を整理すると、次のようになります。

項目 バリウム検査(胃部X線) 胃カメラ(胃内視鏡)
調べ方 バリウムを飲み、X線で胃の形・凹凸を撮影 スコープを挿入し、胃の中を直接カラー観察
「異常あり」の意味 胃の形や粘膜の影から疑わしい部分を指摘 その場で病変の有無・性状を直接確認
組織の検査(生検) 検査中には行えない 疑わしい部分があれば、その場で組織を採取できる
「要精密検査」時の次のステップ 精密検査として胃カメラが案内されるのが一般的 (この検査自体が精密検査にあたる)

バリウム検査は胃全体の形を短時間で把握しやすい検査ですが、影から病変の疑いを見つける仕組みのため、「異常あり」となった場合は、実際に何が起きているのかを直接目で確認する胃カメラが必要になります。

「要精密検査」は、がんが見つかったという意味ではありません

国立がん研究センター がん情報サービスでは、胃がん検診について「検査の結果が『要精密検査』となった場合は、精密検査を受けることがすすめられており、精密検査では胃内視鏡検査が行われる」と説明されています [1]。つまり要精密検査という判定は、胃カメラで確認する対象になったという意味であり、がんの確定を意味するものではありません。

実際、厚生労働省の資料によれば、令和6年度の地域保健・健康増進事業報告において、胃がん検診で「要精密検査」と判定された方のうち、実際にがんが見つかった割合は1.80%(要精検者およそ56人に1人)だったと報告されています [2]。要精密検査となった方の多くでは、精密検査の結果、がんは見つかりません(胃炎やポリープなど、がん以外の所見が見つかることはあります)。ただ、この数字はあくまで集団全体の傾向であり、個々の結果がどうなるかは、実際に胃カメラで確認してみなければ分かりません。

医師は結果票のどこを見て「急ぐかどうか」を判断するのか

結果票に書かれている内容は、実は一律ではありません。日本消化器がん検診学会が定める「胃X線検診のための読影判定区分(カテゴリー分類)」では、所見の存在の確からしさと悪性を疑う度合いに応じてカテゴリー1〜5に分類されており、要精密検査の対象となるのはカテゴリー3a〜5です [3]。当院では、結果票に記載された所見名や判定区分に加えて、問診でうかがった内容もあわせて確認したうえで、精密検査(胃カメラ)のご案内をしています。

見るポイント 内容の例 早めの受診をおすすめする場合
所見名(隆起性病変・陥凹性病変・粘膜不整など) 結果票に「隆起性病変疑い」「陥凹性病変疑い」「粘膜不整」などの所見名が付記されることがあります [3] 存在または質的な判断が困難とされる所見や、悪性を疑う所見が記載されている場合
判定区分(カテゴリー) 結果票に「カテゴリー3a」〜「カテゴリー5」などと記載されることがあります。数字が大きいほど、悪性を疑う所見であることを示す区分とされています [3] カテゴリー4・5と案内されている場合
自覚症状の有無 体重減少、黒色便、食欲不振、つかえ感などの有無 こうした症状がある場合は、判定区分にかかわらず早めのご相談をおすすめしています
過去の検査歴 前回のバリウム検査・胃カメラの結果、これまでの指摘の有無 過去にも同様の指摘を受けたことがある場合や、しばらく検査を受けていない場合
服薬状況(抗血栓薬など) 血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を服用しているかどうか。生検を行うかどうかの判断に、事前確認が必要になることがあります [4] 服薬中の方は、検査の日程調整に時間がかかることがあるため、早めのご相談をおすすめしています
年齢・ピロリ菌の既往 ピロリ菌感染(除菌歴を含む)の有無、年齢 ピロリ菌感染歴がある方は、胃がんのリスク要因の一つとされているため [1]、経過をふまえたご相談をおすすめしています

この表は、当院が問診や結果票の確認で参考にしている一般的な視点であり、実際にどの程度急ぐべきかは、結果票の内容・症状・これまでの検査歴・服薬状況などを診察で確認したうえで判断します。要精密検査の通知だけで自己判断せず、結果票をお持ちのうえ一度ご相談ください。検査中に疑わしい部分が見つかった場合の生検(組織検査)については、胃カメラで生検と言われたらの記事でも解説しています。

精密検査を先延ばしにすると、どうなるか

「症状もないし、そのうち」と精密検査を後回しにしたくなる気持ちは理解できます。ただ、厚生労働省も、精密検査が必要と通知された場合は医療機関でより詳しい検査を受けることがすすめられており、精密検査を受けないままでいると、もしがんがあった場合に診断が遅れ、がんが進行してしまう恐れがあると注意を促しています [2]。これは特定の症例を指すものではなく、一般的な傾向としての注意喚起です。

要精密検査の通知を受けてから実際に胃カメラを受けるまでの期間が空くほど、そのまま受診の機会を逃してしまう方も見受けられます。忙しさの中で後回しにしてしまうのは自然なことですが、結果表を受け取った時点で早めに相談先を決めておくと、安心材料が増えます。

精密検査としての胃カメラで、当院が行っていること

当院は横浜市の胃がん検診(バリウム検査)そのものは実施していませんが、健診や人間ドックでバリウム検査を受けて「要精密検査」「異常あり」と指摘された方の胃カメラのご相談に対応しています。健診結果表をお持ちいただければ、それをもとに診察し、検査の進め方をご説明します。

検査方法は、口から挿入する経口内視鏡と、鼻から挿入する経鼻内視鏡のどちらかを選んでいただけます。嘔吐反射が心配な方には、鎮静剤(鎮静・鎮痛剤)を使用し、うとうとした状態で受けていただく方法もご用意しています。検査中に疑わしい部分が見つかった場合は、その場で組織を採取する生検を行うことができ、結果は後日診察でお伝えします。

予約は平日はほぼ毎日受け付けており、土曜も内視鏡検査の枠を設けています。仕事の都合などで平日の受診が難しい方は、土曜の枠もあわせてご相談ください。

横浜駅前で、健診後の胃カメラ相談をご希望の方へ

横浜駅前ながしまクリニックは、横浜駅から徒歩3分の内科・消化器内科クリニックです。バリウム検査で「要精密検査」「異常あり」と指摘された方、健診結果の見方が分からず不安な方は、結果表をお持ちのうえご相談ください。症状がなくても、健診で指摘されたことをきっかけに一度確認しておきたい、という段階でも構いません。

よくある質問

「要精密検査」の通知が来ました。これはがんが見つかったということですか?

要精密検査は、精密検査(胃カメラ)で確認する対象になったという通知であり、がんの確定診断ではありません。厚生労働省の報告では、胃がん検診で要精密検査となった方のうち、実際にがんが見つかった割合は1.80%とされています [2]。多くの方では精密検査の結果、がんは見つかりませんが、実際の結果は胃カメラで確認するまで分かりません。

バリウムで「異常あり」でも、胃カメラ以外の検査で済ませることはできますか?

国立がん研究センターの説明では、胃がん検診で要精密検査となった場合の精密検査は胃内視鏡検査(胃カメラ)とされています [1]。持病や体調によって検査方法のご相談が必要な場合もありますので、心配な点があれば診察時にお伝えください。

精密検査を受けずに、しばらく様子を見てもいいものでしょうか?

症状がないことを理由に精密検査を先延ばしにする方もいますが、厚生労働省は先延ばしによって診断が遅れる可能性があると注意を促しています [2]。忙しい時期であっても、早めに相談先を決めておくと安心です。ご自身の状況によって受診の緊急度は異なるため、不安な場合は早めにご相談ください。

「要精密検査」の通知から、どのくらいの期間内に胃カメラを受けるべきですか?

「これなら安心」と言える一律の期限は定められていません。ただし、通知を受け取ってから時間が空くほど、そのまま受診の機会を逃してしまう方も見受けられます [2]。当院では、結果票の内容を確認しながら、できるだけ早い時期での予約をご案内しています。忙しい時期であっても、まずは結果票をお持ちのうえご相談ください。

バリウム検査をもう一度受け直せばよいですか?

バリウム検査を受け直しても、精密検査の代わりにはなりません。バリウム検査は胃の形や粘膜の凹凸を影として捉える検査のため、同じ検査を繰り返しても、疑わしい部分を直接目で確認することはできません。国立がん研究センターの説明でも、要精密検査となった場合の精密検査は胃内視鏡検査(胃カメラ)とされています [1]。

胃カメラの費用は保険適用されますか?

健診・人間ドックで「要精密検査」「異常あり」と指摘された方が受ける胃カメラは、医師が必要と判断して行う場合、保険診療として行うのが一般的です。当院の目安では、検査のみの場合で3割負担4,500〜5,500円、組織検査(生検)を行った場合で3割負担9,000〜12,000円です。実際の費用は、当日の診察内容や検査内容によって変わりますので、あらかじめご了承ください。

症状がなければ、精密検査を受けなくてもよいですか?

自覚症状の有無だけで受診の要否を判断することはおすすめできません。胃の病気は、症状がない段階で健診の画像所見をきっかけに見つかることも少なくありません。要精密検査という結果が出た時点で、症状の有無にかかわらず一度ご相談いただくことをおすすめしています。

前回の健診でも要精密検査でしたが、胃カメラでは異常なしでした。今回も様子を見てよいですか?

前回の胃カメラで異常がなかったことと、今回の判定結果が同じになるとは限りません。バリウム検査はそのつど新たに撮影して判定しているため、前回の結果とは別に、今回の所見として確認する必要があります。診察の際には、今回の結果票に加えて、これまでの検査歴もお伝えください。

健診結果票を紛失してしまいました。それでも胃カメラの相談はできますか?

結果票が手元になくても、診察のご相談自体は可能です。ただし、結果票には所見名や判定区分など、検査の進め方を判断するための情報が記載されているため、可能な範囲で健診を受けた施設に再発行を依頼していただけると、より的確にご案内できます。手元にない場合は、その旨を診察でお伝えください。

あわせて読みたい

当院の関連診療ページ

医学監修:横浜駅前ながしまクリニック 院長 長島周平(内科・消化器内科)

参考文献
[1] 国立がん研究センター がん情報サービス. 胃がん 予防・検診. https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/prevention_screening.html(最終更新日: 2026年1月13日)
[2] 厚生労働省. がん検診. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059490.html(令和7年12月24日更新)
[3] 日本消化器がん検診学会 胃がん検診精度管理委員会・胃X線検診の読影基準に関する研究会. 委員会報告「胃X線検診のための読影判定区分」. https://www.jsgcs.or.jp/files/uploads/iinkai_kubun.pdf
[4] 日本消化器内視鏡学会. 市民のためのお役立ち情報「血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を飲んでいるのですが、内視鏡検査は受けられますか?」. https://www.jges.net/citizen/faq/general_09

TOP