2026年08月13日
外来で「もう歳だから一度診てもらったほうがいいですよね」「まだ若いから大丈夫だと思うんですけど」という言葉をよく聞きます。実際のところ、胃カメラや大腸カメラを考え始める時期は年齢だけで一律に決まるものではなく、症状の有無や家族歴によっても変わってきます。とはいえ、まったく目安がないと迷ってしまうのも事実です。ここでは国の指針や公的機関の情報をもとに、年代ごとに意識しておきたい検診・内視鏡のタイミングを整理しました。
年代別・胃カメラ/大腸カメラの目安表
まず全体像として、年代ごとの目安を表にまとめました。国立がん研究センターの情報にもとづく対策型検診(自治体が実施する公的な検診)の対象年齢を基準にしつつ、当院での実際の対応も併記しています [1]。あくまで一般的な目安であり、実際に何を受けるべきかは体調や既往歴によって個人差があります。
| 年代 | 胃カメラの目安 | 大腸カメラの目安 |
|---|---|---|
| 20〜30代 | 対策型の胃がん検診の対象年齢ではありません。ただしピロリ菌感染がわかっている方、胃の痛みやもたれが続く方は年齢を問わず相談を検討してください | 対策型の大腸がん検診(便潜血検査)は40歳からが目安です。ただし血便や便通の変化が続く場合、大腸がんの家族歴がある場合は、40歳未満でも検査を検討することがあります |
| 40代 | 国の指針では、胃部エックス線検査に限り40歳から実施できるとされていますが [1]、横浜市の胃がん検診は当院では取り扱っていません。症状がある場合の胃カメラは保険診療で、無症状のまま早期発見を目的とする場合は人間ドックでご相談ください | 対策型の大腸がん検診(便潜血検査)の対象年齢に入ります。当院でも便潜血検査を実施しており、陽性だった場合は大腸カメラでの精密検査をご案内しています |
| 50代以上 | 国の指針上は50歳以上・2年に1回が対策型胃がん検診の基本です [1]。当院では横浜市の胃がん検診自体は取り扱っていませんが、胃カメラは人間ドックまたは症状に応じた保険診療で受けていただけます | 40歳から続けてきた便潜血検査に加え、症状や健診結果の内容によって大腸カメラでの確認が検討される年代です |
なぜ「年齢」が検診の目安になるのか
国立がん研究センターの情報によると、対策型の大腸がん検診は40歳以上を対象に、便潜血検査(免疫法)を年1回受けることが基本とされています [2]。一方の胃がん検診は50歳以上を対象に胃部エックス線検査または胃内視鏡検査を2年に1回受けることが基本ですが、当分の間、胃部エックス線検査に限り40歳以上に対して年1回実施することも可能とされています [1]。つまり大腸のほうが早く、40歳という比較的早い段階から検診の対象年齢に入る点は覚えておいて損はありません。ただ、これらはあくまで「症状のない方」を対象にした集団検診の目安である点には注意が必要です。
症状や家族歴があれば、年齢を待たずに相談を
私たちが外来でまず確認するのは、年齢そのものより「今どんな症状があるか」「血縁者に大腸がんや胃がんの方がいるか」という点です。国立がん研究センターも、血便や腹痛、便の性状や回数の変化といった症状がある場合は、検診の結果を待たずすぐに医療機関を受診するよう案内しています [2]。実は大腸がんは50歳未満の若い世代でも増加が指摘されており、年齢だけを理由に様子を見続けることにはリスクが伴います。詳しくは50歳未満でも増えている大腸がん——若年層が見逃しがちな初期サインと検査のタイミングもあわせてご覧ください。体重が理由なく減ってきた場合の考え方はダイエットしていないのに体重が減る——考えられる原因と受診の目安で解説しています。
横浜市の検診と胃カメラ・大腸カメラの違い(当院の場合)
ここで一度整理しておきたいのが、「横浜市の検診」と「胃カメラ・大腸カメラという検査そのもの」は別物だという点です。当院で実施している横浜市の検診は、大腸がん検診(便潜血)・特定健診・子宮がん検診・前立腺がん検診(PSA)です。横浜市の胃がん検診・肺がん検診については、当院では取り扱っておりません。一方で胃カメラ自体は、症状がある場合の保険診療や、当院の人間ドックのオプションとしてであれば受けていただけます。「検診の枠組みでは胃カメラを受けられないから、胃の検査自体もできない」というわけではない、というところが分かりにくい部分かと思いますので、迷ったときは遠慮なくお尋ねください。
当院で受ける場合の流れ
大腸カメラをご希望の場合、当院ではまず事前に外来を受診していただき、問診と診察のうえで検査日を予約する2段階の流れとなっています。血便が続く、強い腹痛があるなど急を要する症状の場合は、緊急の内視鏡検査にも毎日対応していますので、まずはご相談ください。胃カメラについても経口・経鼻からお選びいただけ、鎮静剤を使用した検査にも対応しています。胃カメラ・大腸カメラを同日に受けたい場合の案内や費用の目安は横浜の内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)|料金・当日対応にまとめていますので、あわせてご確認ください。人間ドックでの受診をお考えの方は人間ドックのページもご参照ください。
当院の対応
横浜駅前ながしまクリニックでは、年代を問わず「気になる症状がある」「家族歴が心配」という段階でのご相談を受け付けています。健診で便潜血陽性と言われた方への大腸カメラのご案内も行っていますので、結果表を持って一度ご相談いただくだけでも構いません。年齢の目安はあくまで出発点であり、実際に受けるべきタイミングは一人ひとり異なります。迷っている段階でも遠慮なくお声がけください。
よくある質問
20代・30代でも大腸カメラを受けたほうがいいの?
対策型の大腸がん検診の対象年齢は40歳からですが、血便や便通の変化が続く場合、また大腸がんの家族歴がある場合は、20代・30代でも大腸カメラを検討することがあります。症状がなければ急ぐ必要はありませんが、気になる症状がある場合は年齢を理由に様子を見続けず相談してください。
横浜市の胃がん検診は当院で受けられますか?
横浜市の胃がん検診・肺がん検診は、当院では取り扱っておりません。ただし胃カメラ自体は、症状がある場合の保険診療や人間ドックのオプションとしてであれば受けていただけます。横浜市の胃がん検診をご希望の場合は、対応している医療機関を横浜市の案内でご確認ください。
健診で便潜血が陽性だったら、何歳でも大腸カメラが必要って本当?
便潜血陽性は、年齢にかかわらず原因を確認するために大腸カメラでの精密検査が勧められます。陽性の原因の多くは痔などの良性のものですが、それだけで判断することはできません。再検査で陰性になった場合でも、出血が毎日続くとは限らないため、自己判断で様子を見るより検査による確認をおすすめします。
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監修
横浜駅前ながしまクリニック 院長 長島周平(内科・消化器内科)
参考文献
[1] 国立がん研究センター がん情報サービス. がん検診について.
[2] 国立がん研究センター がん情報サービス. 大腸がん検診.
