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今年こそ胃カメラ・大腸カメラを——年末までに検査を終えるための逆算スケジュール

2026年09月01日

今年こそ胃カメラ・大腸カメラを——年末までに検査を終えるための逆算スケジュール

年内に胃カメラ・大腸カメラを終えたい場合、大腸カメラは事前の食事調整と当日朝の下剤内服が必要なため、思い立った当日に受けることはできません。当院では例年、12月の検査枠は11月に入ると埋まり始めます。年末年始(12月29日〜1月3日)の休診も差し引くと、年内受診をご希望の方は10月中〜11月上旬のご予約をおすすめします。

「今年こそ胃カメラを受けようと思っていたんです」。外来でこう切り出す方は、秋口から少しずつ増えます。健診で便潜血が陽性だったのにまだ受けていない方、去年も同じことを言って年を越した方――理由はさまざまですが、多くの場合はまだ間に合います。ただし、いつまでに何をすればよいかを知らないまま先延ばしにすると、気づいたときには年末年始の休診をまたいでしまうことになりかねません。この記事では、年内に検査を終えるための逆算スケジュールと、検査当日までの流れを整理します。

年内に検査を受けたほうがいい人とは?

「年内に」と考える方には、大きく分けて3つのパターンがあります。ご自身がどれに近いか確認してみてください。

健診で便潜血陽性と言われたのに、まだ受けていない方

便潜血検査が陽性だった場合、便検査のやり直し(再検査)は精密検査の代わりにはなりません。国立がん研究センターのがん情報サービスも、1日分でも陽性であれば大腸内視鏡検査による精密検査が必要と明記しています。詳しくは健診で便潜血陽性と言われたら|再検査より大腸カメラを考える理由もあわせてご覧ください。

「すぐ受けなければ手遅れ」というほど神経質になる必要はありませんが、先延ばしにする期間が長くなるほど注意が必要になることが、海外の観察研究からわかっています。

米国カイザー・パーマネンテで70,124人を対象に行われた研究では、便潜血陽性から大腸内視鏡までの期間が8〜30日だった人を基準にすると、2〜9か月で受けた人との間で、診断時に大腸がんが見つかる割合(オッズ)に統計学的な有意差は見られませんでした。一方、10〜12か月では大腸がんの発見オッズ比が1.48倍・進行がんの発見オッズ比が1.97倍、12か月を超えると大腸がんで2.25倍・進行がんで3.22倍まで上がったと報告されています [1]。

便潜血陽性から大腸内視鏡までの期間 大腸がん発見のオッズ比 進行がん発見のオッズ比
8〜30日(基準) 基準 基準
2〜9か月 統計学的な有意差なし 統計学的な有意差なし
10〜12か月 1.48倍 1.97倍
12か月超 2.25倍 3.22倍

出典:Corley DA, et al. JAMA. 2017;317(16):1631-1641(米国・70,124人の後ろ向きコホート研究) [1]。8〜30日を基準とした場合の相対的なリスク(オッズ比)を示しています。

これはあくまで米国の患者を対象にした観察研究であり、論文自身も、この差が因果関係によるものかは今後の研究が必要だと述べています。「先延ばしにしたせいで進行した」と一概には言えませんが、数か月程度の遅れでは差が出にくい一方、10か月前後を境にリスクが上がる傾向がある、という2つの事実を踏まえて予定を考えていただければと思います。

健診の再検査を「そのうち」と先送りしている方

便潜血陽性に限らず、健診で「要精密検査」「要再検査」の判定を受けたまま先送りにしているケースも同様です。年代別の受診目安は何歳から胃カメラ・大腸カメラを受けるべき?年代別の検診と受診の目安で確認できます。ご自身の年代でどのくらいの頻度の検査が推奨されているかを知ったうえで、今回の受診時期を検討する材料にしてください。

症状がある方は年内かどうかを気にしない

黒い便や血便、原因不明の体重減少、飲み込みにくさなどの症状がある場合は、年内かどうかを気にせず早めの受診をおすすめします。こうした症状のある方は、健診をきっかけに検査を考える方とは事情が異なるため、この記事で扱う「年内の逆算スケジュール」の対象からは切り離してお考えください。

12月は予約が埋まりやすいって本当?

年末は忘年会や大掃除などで慌ただしくなる時期で、検査の予約も集中しやすい傾向があります。当院では例年、12月の検査枠は11月に入ると埋まり始めます。年内の検査をご希望の方は、10月中〜11月上旬のご予約をおすすめします。

年末年始休診(12/29〜1/3)を差し引いて考える逆算の考え方

当院は12月29日〜1月3日の6日間が年末年始休診です。この期間は検査を受けられないため、年内最終週は実質的な診療日がさらに限られます。大腸カメラは前処置に日数がかかる分、「年末ぎりぎりに」ではなく、逆算しての検討をおすすめします。なお、血をサラサラにする薬(抗血栓薬)を服用中の方は休薬の要否を検査日決定前に確認する必要があるため、通常より早めの外来相談をおすすめします。

時期の目安 やること
10月中〜11月上旬 年内受診を希望する場合、この時期までに外来で相談・予約するのが目安(12月枠は11月に埋まり始めるため)
予約日の前日まで(大腸カメラ) 2日前から食事調整を開始(下剤は検査当日の朝に内服)
検査当日 胃カメラ・大腸カメラを実施
検査後日 結果説明(組織を採取した場合)
12月29日〜1月3日 年末年始休診(この期間は検査を受けられません)

※必要な日数は内服薬の有無や検査内容によって変わります。実際の日程は診察でご相談ください。

年末年始の食事で気をつけることは?

忘年会・帰省・旅行の予定と検査日の重なりに注意

大腸カメラは検査前日からの食事調整と、当日朝の下剤内服が必要です。忘年会・帰省・旅行の予定と検査前日が重なると食事調整が難しくなるため、検査日を決める際はこうした予定もあわせて外来でご相談ください。

検査前日の食事調整はいつから始まるか

大腸カメラの場合、検査2日前から野菜・きのこ・海藻・ごま・豆類・果物など消化の悪い食品を避け始めます。前日は消化の良い食事を少量にとどめ、夕食は21時までに済ませてください。21時以降は絶食とし、水・お茶・透明なスポーツドリンクなどの水分のみ摂取できます(糖尿病などで制限のある方は、医師の個別の指示に従ってください)。下剤の具体的な飲み方は大腸カメラの下剤がつらい方へ|自宅・院内2つの飲み方と乗り切るコツで詳しく解説しています。

下剤・検査当日はどんな流れ?

大腸カメラは前日からの準備が必要(=当日の思いつき受診はできない)

胃カメラは条件が整えば当日対応できる場合がありますが、大腸カメラは前日からの食事調整と当日朝の下剤内服が必要なため、「今日思い立って、今日終わる」検査ではありません。胃カメラと大腸カメラを同じ日に受けられるかどうかについては胃カメラと大腸カメラは同じ日に受けられる?同日検査ガイドもご参照ください。

検査時間の目安(胃カメラ・大腸カメラそれぞれ)

項目 胃カメラ 大腸カメラ
検査自体の所要時間 5〜10分 10〜30分程度(内容により前後)
鎮静剤使用時の来院〜帰宅の目安 30分〜1時間程度 1時間弱
前処置 基本的に不要(当日朝から絶食) 事前の食事調整と当日朝の下剤内服が必要
当日に思い立って受けられるか 対応できる場合があります 前処置が必要なため対応できません

※ポリープ切除など処置を伴う場合は、検査時間が延長することがあります。

鎮静剤を使う場合の当日の過ごし方

鎮静剤を使用する場合、検査後はリカバリールームで30分〜1時間ほど休憩していただきます。眠気が残ることがあるため、当日の車・バイク・自転車の運転は控えてください。鎮静剤を使用しない場合は、検査後すぐに帰宅・運転が可能です。

当院での受け方

横浜駅前ながしまクリニックは、横浜駅きた西口から徒歩約3分にある内科・消化器内科・婦人科のクリニックです。胃カメラは経鼻・経口の両方、鎮静剤を使った検査にも対応しています。大腸カメラも鎮静剤に対応していますが、下剤の準備が必要なため、まずは外来でご相談ください。費用の目安は胃カメラ・大腸カメラの費用はいくら?保険診療の場合の目安一覧でご確認いただけます。年内受診をご希望の方は、10月中〜11月上旬を目安に一度外来でご相談ください。

よくある質問

年内に胃カメラ・大腸カメラを受けたいのですが、いつまでに予約すればいいですか?

当院では例年、12月の検査枠は11月に入ると埋まり始めます。年内の検査をご希望の方は、10月中〜11月上旬のご予約をおすすめします。

便潜血検査が陽性のまま、まだ大腸カメラを受けていません。今からでも間に合いますか?

多くの場合は間に合います。ただし便検査の再検査は精密検査の代わりにはなりません。まずは早めに外来へご相談ください。

便潜血陽性を数か月放置してしまいましたが、大丈夫でしょうか?

大丈夫と断定することはできませんが、海外の大規模な観察研究では、便潜血陽性から大腸内視鏡までの期間が数か月程度であれば、8〜30日で受けた場合と比べて、診断時に大腸がんが見つかる割合に統計学的な差は見られなかったと報告されています。ただし10か月を超えるとその割合が上がる傾向が報告されているため、心当たりのある方は早めの受診をおすすめします。

大腸カメラは思い立った当日に受けられますか?

大腸カメラは前日からの食事調整と当日朝の下剤内服が必要なため、当日に思い立ってすぐ受けることはできません。胃カメラは条件が整えば当日対応できる場合があります。

年末年始は休診ですか?

当院は12月29日〜1月3日が年末年始休診です。この期間は検査を受けられませんので、年内受診をご希望の方は逆算してご予約ください。

検査前日はいつから食事に気をつければいいですか?

大腸カメラの場合、検査2日前から消化の良い食事を意識し始め、前日は夜21時までに食事を済ませ、それ以降は絶食していただきます。

忘年会や帰省の予定と検査が重なりそうです。どうすればいいですか?

大腸カメラは前日からの食事調整が必要なため、忘年会や帰省・旅行の予定を避けた日程で検査を組むことをおすすめします。外来相談時にご希望の時期をお伝えください。

症状がある場合も「年内でいい」と考えていいですか?

いいえ。黒い便や血便、原因不明の体重減少などの症状がある場合は、年内かどうかにかかわらず早めの受診をおすすめします。

鎮静剤を使うとどのくらい時間がかかりますか?

鎮静剤を使用する場合、胃カメラは来院から帰宅まで30分〜1時間程度、大腸カメラは1時間弱を目安にお考えください。検査後はリカバリールームでの休憩と、当日の車・バイク・自転車の運転を控えていただく必要があります。

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監修
横浜駅前ながしまクリニック 院長 長島周平(内科・消化器内科/日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医、日本消化器病学会認定 消化器病専門医)

参考文献
[1] Corley DA, Jensen CD, Quinn VP, et al. Association Between Time to Colonoscopy After a Positive Fecal Test Result and Risk of Colorectal Cancer and Cancer Stage at Diagnosis. JAMA. 2017;317(16):1631-1641. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28444278/(PMID: 28444278)
[2] 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」. https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/colon.html

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