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胃カメラ・大腸カメラはどこで受ける? 口コミの前に確認できる7つのこと

2026年09月12日

胃カメラや大腸カメラをどこで受けようか、口コミサイトの星の数を見比べて悩む方は多いと思います。「先生が丁寧だった」という感想は参考になりますが、それだけでは分からないこともあります。ちょうど今は10月〜12月の予約が混み合いやすくなる手前の時期です。年内に受けたい方は9〜10月のうちに動くと選択肢が広がります(年内の内視鏡スケジュール)。初めての方は初めての胃カメラ、女性の方は大腸カメラが恥ずかしくて踏み出せない女性へもどうぞ。

学会の指導施設を中心とした調査(第7回全国調査)でみると

観察だけの検査(生検含む)

218,176件 → 偶発症165件(0.076%)・死亡なし

前処置にともなう偶発症

177件(0.072%)→ 鎮静・鎮痛薬119件+腸管洗浄薬47件で9割超、死亡4件(鎮静薬3件・腸管洗浄薬1件)

※ 検査そのものより、前処置(鎮静・下剤)の段階に注意点が集まっています。学会の指導施設を中心とした調査で、すべての施設の平均ではありません[2]。

施設によって差が出るのは、実は「検査そのもの」だけではない

日本消化器内視鏡学会の洗浄・消毒ガイドラインには、消化器内視鏡が全国の病院・クリニックあわせて約3万施設(病院3割、クリニック7割ほど)で行われ、年間件数は約1,700万件にのぼると書かれています[1]。これだけの規模になれば施設ごとの幅は避けられず、同じガイドラインで「内視鏡の洗浄・消毒法も医療機関によって差が認められるのも事実である」と学会自身が認めています[1]。

検査の技術そのものは外から比べにくいものです。ただ洗浄・消毒や前処置のように、電話やホームページで確認できる部分もあります。

重いトラブルが出ていたのは、検査中よりも「前処置」の段階

日本消化器内視鏡学会が2019〜2021年に行った第7回全国調査(学会の指導施設中心に1,369施設へ依頼、1,197施設から回答)では、前向きに調べた246,627件のうち偶発症668件(0.271%)、死亡8件(0.0003%)でした[2]。観察だけの検査(生検含む)218,176件では偶発症165件(0.076%)、死亡例はありませんでした[2]。

一方、前処置にともなう偶発症は177件(0.072%)。内訳は鎮静・鎮痛薬関連119件、腸管洗浄薬関連47件であわせて9割超、前処置による死亡4件も鎮静薬関連3件・腸管洗浄薬関連1件でした[2]。偶発症が起きる頻度そのものは観察だけの検査と前処置とで大きく変わりませんが、亡くなった方が出ていたのは前処置の段階でした。検査の技術よりも、検査に入る前の段取りに目を向けたほうがよい、という結果です(学会の指導施設を中心とした調査であり、全施設の平均ではありません)。

予約の前に確認できる7つのこと

予約前に確認できる7つのこと

①検査前の診察はあるか
②鎮静剤の有無と見守り・休む場所
③下剤で困ったときの連絡先
④洗浄・消毒と処置具の使い捨て
⑤ポリープのその場切除
⑥結果の説明方法
⑦担当医と連携先

※ 口コミの前に、電話やホームページで確認できることです。

口コミや内装のきれいさだけでなく、電話やホームページで確認できることがあります。検査を検討している施設に聞いてみるとよい7つです。

①検査の前に医師の診察があるか

体調や服用中の薬、これまでの病歴を確認してもらえるかどうかです。着替える前に、医師が話を聞く時間があるかを聞いてみるとよいと思います。

②鎮静剤を使うか、使うときの見守りと休む場所

鎮静のガイドラインでは、パルスオキシメーターや心電図で移動時も監視を続け、意識レベルや呼吸・循環動態を評価して帰宅を判断することが示されています[3]。鎮静剤を使う施設なら、見守り体制と休める場所を聞いておきたいところです(鎮静剤でうとうとしたまま受ける胃カメラ・大腸カメラ)。

③下剤で困ったときに連絡できるか(大腸カメラ)

下剤を飲みきれない、吐き気が続く、といったことは実際に起こります。困ったときに施設へ連絡できるかは、事前に聞いておきたい点です(大腸カメラの下剤がつらい方へ)。

学会のガイドラインが示す洗浄・消毒の基本の流れ

検査後にベッドサイドで洗浄 →
送気・送水ボタン、吸引ボタン、鉗子栓は毎回外して洗浄 →
生検鉗子など感染リスクの高い処置具はディスポーザブル使用 →
再使用する場合は十分な洗浄・滅菌

※ 実施の詳細は施設によって差があるとガイドライン自身が述べています[1]。

④内視鏡の洗浄・消毒と、処置具が使い捨てかどうか

ガイドラインでは、生検鉗子など感染リスクの高い処置具はディスポーザブル(使い捨て)とすべきとされ、再使用時は十分な洗浄・滅菌が必要とされています[1]。送気・送水ボタン等も毎回外して洗浄するとされています[1]。使い捨てかは、聞けば答えてもらえる部分です。

⑤ポリープが見つかったらその場で切除できるか

その場で切除できれば、下剤を飲み直して出直す手間を避けられます。先ほどの調査では、切除方法ごとの偶発症の頻度はCSP(コールドスネアポリペクトミー)で0.231%、EMRで1.450%でした[2]。ただしこの2つは病変の大きさや性質によって使い分けるもので、数字だけを並べてどちらが安全とは言えません。切除にともなう出血などのリスクはゼロではありませんが、見つかったポリープをそのままにしておくこともまた将来のリスクになります(日帰り大腸ポリープ切除)。

⑥結果をどう説明してもらえるか

画像を見せてもらいながら説明を受けられるか、病理結果がいつ・どう伝えられるかも施設によって違います。電話や郵送だけで済ませるのか、来院して直接聞けるのかも確認したい点です。

⑦検査を担当する医師と、対応できないときの連携先

内視鏡クリニックの多くは手術・入院の設備を持ちません。ポリープが大きい、悪性が疑われる場合の紹介先は施設ごとに差が出ます。誰が担当し、どこと連携しているかを聞いておくと安心です。

当院の場合

上の7つについて、当院で確認できる範囲を書いておきます。

検査は院長の長島周平(消化器内視鏡専門医・消化器病専門医)が担当し、手術・入院の設備がないため必要時は連携医療機関を紹介します。鎮静は少量の鎮静剤・鎮痛剤による静脈麻酔で対応し、検査後はリカバリールームで30分〜1時間休んでいただきます(当日の運転は不可)。下剤は自宅服用が基本ですが水曜・金曜は院内服用にも対応し、吐き気や嘔吐が続く場合は当院へご連絡いただく運用です。

洗浄・消毒はガイドラインを遵守し、使用ごとに毎回適切な洗浄・消毒を実施。処置具は使い捨てを使用し、再利用時は高温高圧の蒸気で滅菌します。日帰りの大腸ポリープ切除にも対応し、10mm以下の良性ポリープには出血リスクの少ないCSPを積極的に選択、サイズ・性状に応じてEMRと使い分けます(大きい・多い・悪性疑いは入院切除をすすめることがあります)。

検査後は撮影した画像を見ていただきながら院長が直接結果を説明し、病理結果は後日、来院時に対面でお伝えしています。胃カメラ・大腸カメラの流れは各ページ(胃カメラ大腸カメラ)、費用の目安は胃カメラ・大腸カメラの費用、次の検査間隔は何年おきに受ければいい?でご案内しています。

よくある質問

胃カメラ・大腸カメラは、どこで受けても同じなのでしょうか?
技術は外から比べにくいものですが、学会のガイドラインでも洗浄・消毒の方法は医療機関によって差があると明記されています。前処置や鎮静の体制、結果説明の仕方は予約前に確認できます[1]。

内視鏡でトラブルが起きるとしたら、どの段階が多いのですか?
学会の指導施設を中心とした調査では、観察だけの検査(生検を含む)の偶発症は0.076%で死亡例はなく、一方で前処置にともなう偶発症は0.072%と頻度こそ近いものの、そのうち9割超が鎮静・鎮痛薬と下剤(腸管洗浄薬)によるもので、死亡例4件もこの段階で起きていました[2]。

ポリープをその場で切除するのは、危険ではないのですか?
切除にともなう出血などのリスクはゼロではありません。ただ切除方法は病変の大きさや性質によって使い分けるもので、頻度の数字だけで安全性を比べることはできません。見つかったポリープをそのままにしておくことも将来のリスクになるため、その場で対応できるかは確認しておきたいポイントです[2]。

予約の電話でこうした質問をしてもいいの?
鎮静の有無や下剤で困ったときの連絡先、結果の説明方法は多くの施設が答えられる内容です。当院でも予約や問診の際にご質問いただければお答えします。


監修

横浜駅前ながしまクリニック 院長 長島周平(内科・消化器内科/日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医、日本消化器病学会認定 消化器病専門医)

参考文献

  1. 日本消化器内視鏡学会. 消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン. Gastroenterological Endoscopy. 2018;60(7):1370. https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/60/7/60_1370/_html/-char/ja(2026年9月11日確認)
  2. 日本消化器内視鏡学会. 消化器内視鏡関連の偶発症に関する第7回全国調査報告(対象期間2019〜2021年). Gastroenterological Endoscopy. 66(3):327. https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/66/3/66_327/_html/-char/ja(2026年9月11日確認)
  3. 日本消化器内視鏡学会. 内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版). Gastroenterological Endoscopy. 2020;62(9):1635-1681. https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/62/9/62_1635/_html/-char/ja(2026年9月11日確認)
  4. 日本消化器内視鏡学会. 市民のための消化器内視鏡Q&A. https://www.jges.net/citizen/faq/general_06(2026年9月11日確認)

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