2026年08月11日
「便潜血の再検査、先生に言われてから半年経っちゃいました」――外来でこう打ち明けてくださる方の多くが、女性です。理由をうかがうと、たいてい返ってくるのは「恥ずかしくて」というひとことです。お腹の中を見られること、下半身を人前にさらすこと、検査そのものへの漠然とした不安。どれも、大げさな感覚だとは思いません。ただ、その恥ずかしさを理由に検査を先延ばしにしたまま何年も経ってしまう方を、私たちは診療の中で少なからず見てきました。迷っている段階でも、必要な検査を遠ざけすぎないことが大切です。
女性にこそ、大腸カメラを考えてほしい理由
大腸がんは、男女を問わず注意が必要ながんです。そのうえで女性に限って言うと、国立がん研究センターの最新がん統計では、女性のがん死亡のなかで最も多い部位が大腸がんとされています [1]。乳がんや子宮がんのイメージが強いぶん、大腸がんは女性にとって「自分ごと」として意識されにくい面があるのかもしれません。もちろん大腸がんに限った話ではありませんが、早期に発見できれば内視鏡による負担の少ない治療で対応できる場合が多いがんでもあります [2]。便潜血検査で陽性が出た方、家族に大腸がんや大腸ポリープの方がいる方は、性別に関わらず一度は大腸カメラでの確認を検討していただきたいと考えています。
実際の診療では、便潜血陽性という結果を受け取っても、恥ずかしさや不安から精密検査を先延ばしにしてしまう方を、私自身も少なからず診てきました。責めるつもりは一切ありません。ただ、先延ばしにする時間が長くなるほど、選べる選択肢が狭まってしまうことがあるのも事実です。
恥ずかしさの正体と、当院でできる配慮
大腸カメラへの恥ずかしさは、体位や露出そのものへの抵抗感だけでなく、「つらい表情や反応を見られたくない」という感覚も含まれているように思います。当院では鎮静剤を使用した検査に対応しており、多くの方が眠ったような状態で検査を受けられます。検査中の記憶がほとんど残らない方が大半です。意識がはっきりした状態で長い時間を検査台の上で過ごす、という状況そのものを避けられることは、羞恥心の面でも一定の助けになるのではないかと考えています。
検査後は鎮静剤の効果が切れるまでリカバリールームで30分〜1時間ほど休んでいただいてから、画像を見ながら院長が結果をご説明します。そのほかにも、少しでも安心して検査を受けていただけるよう、環境面でのさまざまな配慮を行うようにしています。恥ずかしさや不安に感じる点があれば、予約時や診察時に遠慮なくお伝えください。おひとりおひとりの状況に応じて、できる範囲で対応いたします。
| 場面 | 当院での対応 |
|---|---|
| 検査中 | 鎮静剤を使用すれば、多くの方が眠ったような状態で検査を受けられます |
| 検査後 | リカバリールームで30分〜1時間ほど休憩してから、結果説明を受けられます |
| 生理中の対応 | 出血の程度や体調に応じて、日程や方法をご相談いただけます |
| 婦人科との連携 | 婦人科(女性医師が担当)と同じ院内で、腸の症状についても相談できます |
婦人科併設だから、相談しやすいという選択肢
当院には婦人科も併設しており、女性医師である副院長が診療にあたっています。生理の悩みやおりものの異常、婦人科系の不調について相談できる場所と、大腸カメラなど消化器の検査を受けられる場所が同じ院内にあるという点は、女性の患者さんにとって心理的なハードルを下げる要素のひとつになるのではないかと私たちは考えています。大腸カメラ自体は消化器内科を専門とする院長が担当していますが、婦人科の受診をきっかけに、便潜血陽性や腸の症状について相談していただくことも可能です。
生理中でも検査は受けられる?
「ちょうど生理の時期と重なりそうで、予約をためらっている」というご相談もよくいただきます。出血の量や体調によって当日の対応が変わることがあるため、一律に「問題ありません」とお答えするのは難しいのですが、多くの場合は日程の調整や検査方法の工夫で対応できます。気になる場合は、予約の際に生理予定日を伝えていただくと、その後の案内がスムーズになります。
検査の流れをかんたんに
当院の大腸カメラは、事前の診察・予約から始まります。検査前日または当日の朝にご自宅で下剤を内服し、腸の中をきれいにしてから来院していただくのが基本の流れです(水曜・金曜は院内での下剤内服にも対応しています)。検査当日は鎮静剤を注射してから検査を行い、ポリープが見つかった場合はその場で日帰り切除できることも多くあります。検査終了後はリカバリールームで休憩したのち、画像を確認しながら院長が結果を説明します。
下剤の飲み方や当日の流れ、鎮静剤についてもっと詳しく知りたい方は、鎮静剤を使った内視鏡検査についての記事もあわせてご覧ください。健診で便潜血陽性と言われた方は、便潜血陽性のあとに考えたいこともご参考になるはずです。
よくある質問
Q. 検査中、下半身が見えてしまうのが心配です。
少しでも露出や心理的な負担が少なくなるよう配慮しています。具体的にご不安な点があれば、予約時や診察時に遠慮なくお伝えください。そのときの状況に応じて、できる範囲でご相談させていただきます。
Q. 生理中でも大腸カメラって受けられるものなの?
出血の程度や体調によって対応が変わるため、まずは予約時にご相談ください。日程をずらしたほうがよい場合と、そのまま検査を受けていただける場合があります。
Q. 女性医師に担当してもらうことはできますか?
大腸カメラは消化器内科を専門とする院長が担当しています。女性医師の診察をご希望の場合、婦人科では副院長が担当しておりますので、まずは婦人科でご相談いただくことも可能です。検査そのものへの恥ずかしさや不安については、性別に関わらず診察時にどのようなことでも遠慮なくお伝えください。
便潜血が陽性だった方、家族に大腸がんの方がいる方はもちろん、まだ漠然とした不安がある段階でも構いません。恥ずかしさを無理に我慢して先延ばしにする前に、まずは当院の大腸カメラ検査について、一度ご相談ください。胃カメラとあわせた検査についても、内視鏡検査の総合案内ページでご確認いただけます。
監修
横浜駅前ながしまクリニック 院長 長島周平(消化器内科)
参考文献
[1] 国立研究開発法人 国立がん研究センター. 最新がん統計. https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html(2026年7月14日更新版を2026年7月29日確認)
[2] 国立研究開発法人 国立がん研究センター. がん情報サービス「大腸がん」. https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/index.html
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