2026年08月15日
結婚が決まった、あるいはこれから妊娠を考え始めた――そのタイミングで「ブライダルチェックって受けたほうがいいのかな」と検索して当院にたどり着く方は少なくありません。健康診断とはまた違い、婦人科系の検査が中心になるぶん、何を調べるのか、いつ受ければよいのか、費用はどのくらいかかるのか、わかりにくいと感じる方も多いはずです。横浜駅前ながしまクリニックの婦人科で行っているブライダルチェックの内容と、受診のタイミングについてまとめました。

ブライダルチェックとは
ブライダルチェックは、結婚や妊娠を考え始めた方を対象に、婦人科系の状態を確認する自由診療の検査です。実は「ブライダルチェック」という名称そのものは医学的に統一された正式な検査名ではなく、医療機関ごとにホルモン検査や画像検査を組み合わせて提供しているのが実情で、施設によって項目や費用にはばらつきがあります。当院では、子宮頸がん検診・経膣超音波検査に、女性ホルモンと甲状腺の血液検査を組み合わせた内容で実施しています。
当院の検査内容
当院のブライダルチェックは26,500円(税込)で、次の4項目を調べます。
| 検査項目 | 確認していること |
|---|---|
| 子宮頸がん検診 | 子宮頸部にがんや前がん病変にあたる変化がないかを確認します |
| 経膣超音波検査 | 子宮筋腫・卵巣のう腫など、子宮・卵巣の形態的な変化の有無を確認します |
| 女性ホルモン基礎値(LH, FSH, E2, PRL) | 採血時点での卵巣機能・排卵に関わるホルモンバランスの目安を確認します |
| 甲状腺採血 | 甲状腺の働きに乱れがないかを確認します |
女性ホルモンのうちFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)は下垂体から分泌され、卵巣で卵胞が育つ過程に関わるホルモンとされています。E2(エストラジオール)は卵巣から分泌される代表的なエストロゲンで、視床下部・下垂体と連動しながら月経周期を調整しているとされ [1]、PRL(プロラクチン)は本来妊娠・産後に多く分泌されるホルモンですが、それ以外の時期に高い値が続くと卵胞の発育や排卵のリズムに影響することがあるとされています [1]。甲状腺ホルモンは全身の代謝に関わっており、月経周期や妊娠経過にも関係することがあると報告されています [2]。私たちが診察でまず確認するのは、月経周期がおおむね規則的かどうかという点です。ただしいずれも採血をした時点の値であり、その一回の結果だけで将来の妊娠のしやすさを判定できるものではない、という点は診察の中でも繰り返しお伝えしています。
レディースドックとの違い
当院には、ブライダルチェックのほかに「レディースドック」(10,000円・税込)という検査コースもあります。レディースドックは子宮頸がん検診と経膣超音波検査のみで、ホルモンや甲状腺の採血は含みません。「まずは子宮頸がんや子宮・卵巣の状態だけ確認しておきたい」場合はレディースドック、「ホルモンバランスや甲状腺の状態まで含めて確認しておきたい」場合はブライダルチェックが目安になります。さらに詳しく調べたい方向けに、AMH(卵巣に残っている卵胞の目安とされる値)とクラミジア検査、一般採血を加えた「ブライダルチェックα」(41,000円・税込)というコースも用意しています。どのコースが合うかは希望によって変わるため、迷う場合は受診時にご相談ください。
受けるタイミングと所要日数
ブライダルチェックは、1回の受診では完結しません。女性ホルモンの基礎値は月経中に採血する必要がある一方、子宮頸がん検診と経膣超音波検査は月経中を避けて行うため、当院では2日間に分けての受診をお願いしています。月経周期に合わせた予約調整が必要になるぶん、受診を決めたらできるだけ早めにご連絡いただくとスケジュールを組みやすくなります。人間ドック全体の予約は1〜2ヶ月前が目安とされており、婦人科系のコースは希望が集中しやすい時期もあるため、早めの予約が確実です。
当院の対応
当院の婦人科は完全予約制で、副院長の長島麻子(日本産科婦人科学会専門医)が担当しています。「誰に相談すればいいかわからない」と感じる段階でも構いませんので、気になることがあればお気軽にお声かけください。人間ドックは自由診療のため健康保険は使えませんが、加入している健康保険組合によっては補助が出る場合があるので、気になる方は一度組合に確認していただくとよいかもしれません。検査内容や当日の流れについては、当院の人間ドックページでも詳しくご案内しています。
よくある質問
ブライダルチェックを受ければ、妊娠できるかどうかが分かりますか?
いいえ。ブライダルチェックは、受診した時点でのホルモンバランスや子宮・卵巣の状態、感染症の有無などを確認する検査であり、将来の妊娠のしやすさを保証したり断定したりするものではありません。検査結果に気になる点があれば、診察の中で今後の考え方について相談することができます。
生理中に検査を受けても大丈夫?
むしろ女性ホルモンの採血は月経中に行う必要があります。そのため当院では、月経中に行う採血の日程と、月経以外の時期に行う子宮頸がん検診・経膣超音波検査の日程の、2日間に分けてご予約いただいています。
健康保険は使えないのでしょうか?
ブライダルチェックは自由診療のため、健康保険は適用されません。加入している健康保険組合によっては補助が出る場合があるので、気になる方はご加入の健保組合にご確認ください。
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監修:横浜駅前ながしまクリニック 副院長 長島麻子(産婦人科・日本産科婦人科学会専門医)
参考文献
[1] 公益社団法人 日本産婦人科医会. 月経周期と女性ホルモンのメカニズム.
[2] 一般社団法人 日本内分泌学会. 橋本病(慢性甲状腺炎).
