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胸焼けが続く原因は?市販薬で様子を見てよい場合と受診の目安

2026年08月17日

胸焼けが続く原因は?市販薬で様子を見てよい場合と受診の目安

「胸焼けがつらくて」という相談は、外来でもかなり多く聞きます。食後にみぞおちから胸のあたりが焼けるように感じる、酸っぱいものがこみ上げてくる――そうした症状があると、多くの方はまず市販の胃薬を試してから受診を考えます。それ自体は自然な流れですが、胸焼けの原因は一つに決まっているわけではなく、どこまで様子を見ていいのか、いつ相談すべきかで迷う方も少なくありません。ここでは胸焼けを起こす原因の幅と、市販薬とのつきあい方、受診を考えたい目安について整理します。

食後に胸のあたりの不快感を感じるイメージイラスト(胸焼け)

胸焼けの原因はひとつではない

胸焼けの代表的な原因は、胃の中の酸が食道へ逆流して起こる逆流性食道炎(胃食道逆流症・GERD)です。日本消化器病学会などの患者さん向けガイドでは、食生活の欧米化やピロリ菌感染者の減少といった背景に加え、食べ過ぎ・高脂肪食・就寝前の食事・前屈姿勢・右を下にして寝る習慣・肥満・喫煙などが逆流を起こしやすくする要因として挙げられています [1]。食道と胃のつなぎ目がゆるむ食道裂孔ヘルニアが関わっているケースもあります [1]。逆流性食道炎そのものの症状や検査・治療については、胃食道逆流症(逆流性食道炎)とはの記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

一方で、胸焼けに近い症状がみぞおちの痛みとして自覚されることもあり、機能性ディスペプシアのように胃の働き自体の不調が関係している場合もあります。「胃が痛いのか胸が焼けるのか、自分でもはっきりしない」という方は胃痛・みぞおちの痛みの原因の記事も参考になるかと思います。このほか、早食いや飲み過ぎ、香辛料・カフェイン・アルコールの摂り過ぎ、精神的な緊張やストレス、一部の薬剤の影響で胸焼けが出ることもあるとされています。原因によって対処の仕方も変わってくるため、症状が続くようであれば自己判断だけで片づけず、一度確認しておくと安心です。

様子を見てよいサイン・受診を考えたいサイン

症状の感じ方には個人差がありますが、次のような目安で考えていただくとわかりやすいかもしれません。当てはまる項目があっても、それだけで診断が決まるものではなく、あくまで受診を検討するきっかけとしてお使いください。

様子を見てよいことが多いサイン 受診を考えたいサイン
食べ過ぎ・飲み過ぎの後など、原因に心当たりがあり一時的に感じる ほぼ毎日、または週に何度も繰り返し症状が出る
市販薬を使うと比較的すっきり楽になる 市販薬を使っても数日〜2週間程度で改善しない
体重や食欲にとくに変化はない 体重が減ってきた、食欲が落ちている
食べ物や水を飲み込みにくい感じはない 食べ物がつかえる感じ、飲み込みにくさがある
便の色や胃の出血を疑う症状はない 黒っぽい便が出た、吐いたものに血が混じっていた

市販薬とのつきあい方

市販の制酸薬や胃腸薬を一時的に使うこと自体は珍しくありません。ただ、一般用医薬品(胃腸薬)の添付文書には、目安として「2週間程度使用しても症状がよくならない場合は使用を中止し、医師・薬剤師等に相談してください」といった趣旨の注意書きが共通して記載されています [2]。つまり、市販薬で症状が落ち着いている間は経過を見ても差し支えないことが多い一方、同じ薬を使い続けても改善しない、あるいは症状が徐々に強くなっているという場合は、自己判断で使用を続けるより、一度診察を受けたほうが安心につながります。

私たちが外来で確認するのは、症状の頻度や続いている期間だけではありません。体重の減少や飲み込みにくさ、貧血を思わせる症状の有無なども合わせて伺います。こうした症状が重なっている場合は、胸焼け以外の病気が隠れていないかも含めて調べる必要があります。

胸焼けが続くときに行う検査

胸焼けの原因を調べる際、当院では胃カメラ検査をご案内することがあります。内視鏡検査では、逆流性食道炎の有無だけでなく、食道や胃の粘膜に炎症・潰瘍・腫瘍などがないかを直接確認できます。日本消化器病学会のガイドでも、症状のある方は内視鏡検査を受けることが望ましいとされています [1]。「胸焼けくらいで胃カメラは大げさかも」と感じる方もいらっしゃいますが、症状が長引いている場合や年齢・生活背景によっては、一度確認しておくことが安心材料になることもあります。

当院の対応

横浜駅前ながしまクリニックでは、胸焼けや呑酸、みぞおちの不快感について問診で経過を伺ったうえで、必要に応じて胃カメラ検査をご案内しています。逆流性食道炎の診断・治療について詳しくはこちらの記事、胃の痛みが中心の場合はこちらの記事もあわせてご参照ください。市販薬で様子を見ている段階でも、症状が続く・繰り返すという場合はお気軽にご相談ください。

よくある質問

胸焼けが続くのですが、何科を受診すればいいですか?

胸焼けは消化器内科でご相談いただけます。当院でも問診の内容に応じて胃カメラ検査などをご案内していますので、「胸焼けだけだけれど気になる」という段階でもご相談ください。

市販の胃薬を飲んでいれば当面は大丈夫でしょうか?

一時的な胸焼けであれば市販薬で楽になることもありますが、2週間程度使用しても改善しない場合や症状を繰り返す場合は、使用を続けるより医師にご相談いただくことをおすすめします。

胸焼けと胸の痛み・動悸って、どう見分けるの?

胸焼けは胸骨の裏やみぞおちのあたりが焼けるような感覚が中心ですが、強い胸の痛みや動悸、冷や汗を伴う場合は心臓や血管の病気が関わっていることもあります。消化器の症状と自己判断せず、早めの受診を検討してください。

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監修
横浜駅前ながしまクリニック 院長 長島周平(内科・消化器内科)

参考文献
[1] 日本消化器病学会・日本消化管学会・日本食道学会. 患者さんとご家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイド2023.
[2] JAPIC(一般財団法人日本医薬情報センター)提供 医薬品添付文書情報(KEGG MEDICUS). 一般用医薬品(胃腸薬)の使用上の注意欄の記載例.

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