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お腹が張って苦しいとき考えられる原因と、受診の目安

2026年07月27日

お腹が張って苦しいとき考えられる原因と、受診の目安

「お腹が張って苦しい」「食後でもないのにお腹がパンパンになる」――そうしたご相談で来院される方は少なくありません。お腹の張り(腹部膨満感)は、食べ過ぎやガスだまりなど心配の少ない原因で起こることも多い一方、便秘や過敏性腸症候群(IBS)、まれに腸の病気が関わっていることもあります。この記事では、お腹の張りで考えられる主な原因と、すぐに受診を検討したほうがよいサイン、検査で確認できることについて整理しました。

お腹に手を当てている人のイラスト

お腹の張りの主な原因

お腹の張りの原因は一つとは限りません。大きく分けると「ガスがたまるタイプ」「便秘に関連するタイプ」「病気が隠れているタイプ」の3つに整理できますが、実際にどれに当てはまるかは検査をしてみないとわからないこともあります。

分類 原因の例 特徴・関連しやすい症状
ガスがたまる系 呑気症(空気嚥下症)・早食い・炭酸飲料の摂り過ぎなど ストレスや緊張、早食いによって無意識に空気を飲み込みやすくなることが影響していると考えられる場合があります。げっぷやガスが増えることもあります
便秘系 慢性便秘症 排便回数の減少や、便を快適に出しきれないことによる過度な怒責・残便感などを伴う状態とされ [4]、便やガスが腸内にたまることでお腹の張りにつながることがあります
便秘系 過敏性腸症候群(IBS)便秘型 お腹の痛みや調子の悪さに、便秘などの便通異常を伴う状態が数か月以上続くとされ [3]、お腹の張りを感じる方も少なくありません
病気が隠れている系 機能性ディスペプシア(FD) 胃カメラなどで調べても明らかな異常が見つからないのに、慢性的な胃の痛みや胃もたれ、腹部膨満感が続く状態です [2]
病気が隠れている系 大腸ポリープ・大腸がんなど 早期には自覚症状がほとんどないとされますが、進行すると腸が狭くなることで便秘や便が細くなる、お腹が張るなどの症状が出ることがあるとされています [1]
病気が隠れている系 腸閉塞(イレウス) 腸の内容物がうまく通過できなくなる状態で、お腹の張り・腹痛・嘔吐・便やガスが出なくなるなどの症状を伴うことがあるとされます [5]

このように、お腹の張りの背景は幅広く、症状だけで原因を判断することは難しい面があります。長引く場合や気になるサインを伴う場合は、自己判断で様子を見続けるより、一度医療機関に相談しておくほうが安心につながることがあります。

すぐに受診を検討すべき危険なサイン

お腹の張りの多くは経過をみてよい場合もありますが、なかには早めの受診が必要なサインもあります。次のような症状がある場合は、様子を見ずに医療機関の受診、場合によっては救急受診を検討してください。

  • 急に強いお腹の張りが出て、激しい腹痛や嘔吐を繰り返す
  • お腹の張りとともに、便もガスもまったく出ない状態が続く
  • 高熱を伴う
  • 血便や黒っぽい便(タール状の便)が出る
  • 特に理由なく体重が減ってきた
  • 立ちくらみ、冷や汗、顔色が悪いなど、体に負担がかかっているサインがある

腸の内容物がうまく通過できなくなる腸閉塞(イレウス)では、お腹の張りに加えて腹痛・吐き気や嘔吐、排便や排ガスの停止がみられるとされ、急激に発症して強い痛みが続く場合は血行障害を伴うタイプの可能性が考えられ、早期の対応が必要とされています [5]。「様子を見ているうちに悪化した」とならないよう、当てはまる症状がある方は時間をおかず医療機関にご連絡ください。

放置してよい張りと、受診すべき張りの見分け方

すべてのお腹の張りが病気を意味するわけではありません。ただ、次のような視点で振り返ってみると、受診の目安が見えてくることがあります。あくまで目安であり、心配な場合は自己判断せずご相談ください。

  • 様子を見てよいことが多いケース:食べ過ぎ・飲み過ぎの翌日だけ張りを感じる/一時的で数日以内に落ち着く/排便すると楽になる/他に気になる症状がない
  • 相談を検討したほうがよいケース:張りが1〜2週間以上続く・繰り返す/便秘や下痢などの便通の変化を伴う/体重減少や血便を伴う/だんだん強くなっている/市販薬や生活改善で改善しない

症状の感じ方には個人差があり、上記はあくまで目安です。「これくらいで受診していいのか」と迷う場合こそ、一度専門医に相談していただくことをおすすめします。

検査(胃カメラ・大腸カメラ)でわかること

お腹の張りの原因を絞り込むには、症状だけで判断するより検査で確認するほうが確実な場合があります。胃カメラ検査では、胃や食道の粘膜を直接観察し、逆流性食道炎や胃潰瘍、胃がんなど器質的な病気の有無を確認できます。明らかな異常が見つからない場合は、機能性ディスペプシアの診断を検討する材料にもなります [2]。

大腸カメラ検査では、大腸の粘膜を直接観察し、大腸ポリープや大腸がん、腸が狭くなっている部分の有無などを確認できます。検査中にポリープが見つかった場合は、多くのケースでその場で日帰り切除が可能です。胃カメラ・大腸カメラは同日に受けていただくこともでき、下剤の準備や鎮静剤の使用を1回にまとめられる点はメリットのひとつです。

当院の対応

横浜駅前ながしまクリニックは、横浜駅から徒歩3分の立地で、経口・経鼻いずれの胃カメラにも対応し、鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査もご案内しています。血が混じる、黒い便が出る、強い腹痛や急な貧血を伴うなど緊急性が高いと判断される内視鏡検査については毎日対応できる体制を整えており、ご希望があれば胃カメラ・大腸カメラの当日検査にもできる限り対応しています。「お腹の張りが続いているけれど、何科で相談すればいいかわからない」という段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。

よくある質問

お腹の張りが1週間ほど続いています。様子を見てもいいですか?

症状の感じ方には個人差がありますが、お腹の張りが1週間以上続く場合や、便通の変化・体重減少などを伴う場合は、自己判断で様子を見続けるより医療機関にご相談いただくことをおすすめします。血便や高熱、激しい腹痛を伴う場合は早めの受診をご検討ください。

お腹の張りとあわせて体重が減ってきました。何科を受診すればいいですか?

消化器内科の受診をおすすめします。体重減少を伴うお腹の張りは、便秘や機能性の症状だけでなく、まれに大腸や胃の病気が関わっていることもあるため [1][2]、胃カメラ・大腸カメラでの確認をご検討ください。

胃カメラと大腸カメラは同じ日に受けられますか?

はい、同日に両方受けていただくことが可能です。下剤の準備や鎮静剤の使用を1回にまとめられるため、日程調整がしやすいというメリットもあります。ご希望の方はご予約時にお申し出ください。

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監修
横浜駅前ながしまクリニック 院長 長島周平(内科・消化器内科)

参考文献
[1] 国立がん研究センター がん情報サービス. 大腸がん 症状. 更新日 2025年03月24日.
[2] 日本消化器病学会(協力学会:日本消化管学会・日本神経消化器病学会). 患者さんとご家族のための機能性ディスペプシアガイド2023. 2023年10月20日発行.
[3] 日本消化器病学会(協力学会:日本消化管学会・日本神経消化器病学会・日本心身医学会). 患者さんとご家族のための過敏性腸症候群(IBS)ガイド2023. 2023年11月30日発行.
[4] 日本消化管学会(編)、協力学会:日本消化器病学会・日本消化器内視鏡学会・日本大腸肛門病学会. 便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症. 2023年5月.
[5] 済生会(監修:済生会長崎病院 外科主任部長・消化器病センター長 田中賢治医師). イレウス(腸閉塞). 閲覧日 2026年7月26日.

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