胃カメラを受ける適切な間隔
胃カメラを受ける適切な間隔

胃カメラ(胃内視鏡検査)では、ポリープや炎症、さらには早期のがんを発見することができるため、40歳を過ぎたら定期的に胃カメラ検査を受けることが推奨されています。
早期の胃がんは自覚症状がほとんどないため、検査で偶然発見されるケースが多く、症状が出てからでは手遅れになる場合もあります。定期的な検査によって症状が出る前の早期段階で異常を見つけ、早期治療につなげることができる点が胃カメラ検査の大きなメリットです。
日本において胃がんは比較的頻度の高いがんであり、2021年には約11.3万人が胃がんと診断されています。しかし内視鏡などによる早期発見・治療の進歩で胃がん死亡数は減少傾向にあり、5年生存率も約66%に向上しています。
胃がんの多くはピロリ菌感染に伴う萎縮性胃炎が原因と考えられており、ピロリ菌に感染していない人で胃がんが生じるケースは稀ですがゼロではありません。
では、何歳頃から胃カメラ検査を始めるべきでしょうか?
40歳を迎えたら一度は胃カメラ検査を受けておくことを勧めています。40代で初めて内視鏡検査を受ける際にピロリ菌の有無を調べておくことも重要です。ピロリ菌に感染しているかどうかで将来のリスクが大きく変わるため、最初の検査でリスクを評価し、以後の検査計画を立てると良いでしょう。
胃カメラ検査を受ける適切な間隔(頻度)は、その人の胃の状態や胃がんリスクの高さによって異なります。以下に、いくつかのケース別に目安となる間隔を示します。
胃に異常がなく、症状やピロリ菌感染がない場合は、2年に1回程度の胃がん検診ペースで十分とされております。
・ピロリ菌感染がある場合には胃がん発症リスクが高いため、除菌することをおすすめします。
・除菌後であっても萎縮性胃炎(胃粘膜がダメージで薄くなっている状態)、腸上皮化生(胃粘膜が腸の粘膜のように変化した状態)を認めることが多く、1年に1回の胃カメラ検査を受けることが推奨されます。
両親や兄弟姉妹など近親者に胃がんを患った方がいる場合も、一般の方に比べて胃がんリスクが高いと考えられます。家族内でピロリ菌が感染していることも多く、遺伝的な体質要因も指摘されています。そのため、まず一度胃カメラ検査とピロリ菌検査を受けて自分の胃の状態とリスクを確認することをお勧めします。ピロリ菌検査の結果、ピロリ菌に感染していた場合は除菌治療を行い、その後は前述のハイリスクの場合と同様に年1回程度の定期検査が推奨されます。ピロリ菌が陰性であった場合でも、完全に安心というわけではありませんが、リスク低めと考えられるため通常の検診ペース(2年に1回程度)で経過を見ても良いでしょう。
過去に早期胃がんの内視鏡治療(あるいは手術)を受けたことがある方は、新たな胃がんが発生するリスクが高いため毎年1回の胃カメラ検査が強く推奨されます。統計では早期胃がんを治療した後、5年で約10人に1人(約10%)の割合で別の早期胃がんが胃内に発生するとの報告もあり、少なくとも年に一度の定期検査が勧められています。これは内視鏡治療で病変を切除した場合だけでなく、外科手術で胃の一部を切除した場合にも残った胃に新たな病変ができる可能性があるためです。
過去に胃潰瘍や十二指腸潰瘍を患ったことがある方も、定期的な胃カメラ検査が重要です。消化性潰瘍の多くはピロリ菌感染が原因で起こるため、潰瘍の既往=ピロリ菌感染既往ありと考えて対応します。すでに除菌治療が済んでいる場合でも、ダメージを受けた胃粘膜の状態によっては1〜2年に1回程度の内視鏡フォローが目安となります。特に出血を伴った潰瘍歴がある場合や広範な萎縮が残っている場合には、念のため毎年検査を受ける方が安心です。
上記では定期検査の一般的な間隔について述べましたが、何らかの自覚症状がある場合はこの限りではありません。胃の痛み、胃もたれ、胸やけ、吐き気、嘔吐、体重減少、貧血などの症状が少しでも見られる場合は、検査間隔を問わず早急に医師に相談して胃カメラ検査を受けるべきです。症状があるということは消化管になんらかの異常が起きている可能性を示唆します。例えば胃がん検診で前回異常なしと言われた方でも、その翌月に胃がんが発生する可能性はゼロではありません。特に症状が出ている場合は、定期検診のタイミングを待たず**すぐに精密検査(胃カメラ)**を受けることが大切です。
胃カメラ検査と聞くと「苦しそう」「痛そう」と不安に感じる方も少なくありません。しかし現在では、細径の経鼻内視鏡や鎮静剤の併用など、苦痛を和らげて検査を受けられる方法が用意されています。経鼻内視鏡は鼻からカメラを挿入するため嘔吐反射が起こりにくく、口からの挿入でも鎮静剤を使えばうたた寝した状態で検査が可能です。過度に不安な場合は事前に医師に相談し、これらの方法を検討してみましょう。快適性が向上した現在の胃カメラ検査を上手に活用し、怖がって受けないという事態を避けることが大切です。
内視鏡を定期的に受けるためには、主に次の2つの方法があります。
会社員は年1回受診を義務化されています。その際に胃カメラ、バリウム検査を受けることができます。
ご本人のご意思により受診することが可能です。
自治体によっては、人間ドックの受診費用を一部助成しているところもあります。
対象年齢や助成金額に制限はありますが、対象に当てはまる場合は費用を大きく抑えることができるため、ぜひ一度ご自身の住んでいる市区町村の情報を確認してみましょう。
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胃カメラ・大腸カメラ検査を実施しており、内視鏡によるポリープ切除や早期胃がんの切除も院内で行っています。
検査を担当する医師は、日本消化器内視鏡学会の内視鏡専門医資格を取得しており、豊富な経験と確かな技術を持っています。
安全性・快適性にもこだわり、患者様に安心して検査を受けていただける体制を整えています。
下記をご参照ください。
リスクが低い場合(ピロリ菌未感染・異常なし): 検診ペースで2年に1回程度の胃カメラ検査で十分です(公式には50歳以上2年に1回が推奨)。可能であれば毎年受けるのが理想という意見もあります。
ピロリ菌感染歴がある場合: 年1回の胃カメラ検査が望まれます(胃の状態次第では1~2年おきとすることも)。ピロリ菌除菌後でも油断せず、定期的に検査を続けましょう。
胃がんの家族歴がある場合: 一度は胃カメラとピロリ菌検査を受けることが推奨です。結果に応じて上記の頻度で定期チェックを行いましょう。
胃がん治療歴がある場合: 少なくとも年に1回の定期検査が必要です。主治医の指示のもと計画的に受診してください。
症状がある場合: 定期検査の間隔に関係なく、早急に医療機関を受診し胃カメラ検査を受けてください。少しでも異変を感じたら我慢せず検査することが大切です。