2026年01月16日
生活習慣病は、食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣が発症・進行に関与する疾患群のことです。以前は「成人病」と呼ばれましたが、高齢化だけでなく若年期からの食生活や生活環境も関係することがわかり、「生活習慣病」という概念が用いられています。含まれる疾患には、がん(悪性新生物)、心疾患(狭心症・心筋梗塞など)、脳血管疾患(脳卒中)などがあり、日本では特に高血圧症・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・肥満・メタボリック症候群などが代表的です。これらは互いに合併しやすく、肥満者の約半数に糖尿病や高血圧などいずれかがみられています。

主な生活習慣病の種類

・高血圧症
血圧が慢性的に高い状態です。日本人の高血圧では過剰な食塩摂取や肥満、過度の飲酒などが主な原因とされ、喫煙と並んで心血管病の最大のリスク要因です。治療が不十分だと脳卒中や心筋梗塞などの要因になります。
・糖尿病(2型)
血糖値が高い状態が続く病気です。膵臓からのインスリン分泌や作用が弱まり血糖が上昇、全身の血管や臓器に障害をきたします。放置すると網膜症・腎症・神経障害といった合併症を招く危険があります。
・脂質異常症(高脂血症)
血液中のコレステロールや中性脂肪が増える病気です。これらが血管壁にたまり、動脈硬化を進行させます。放置すると狭心症や脳卒中の原因になります。
・肥満・メタボリック症候群
体脂肪が過剰に蓄積し、内臓脂肪型肥満になる状態です。肥満者は高血圧・高血糖・高脂血症を合併しやすく(いわゆるメタボリック症候群)、生活習慣病リスクが高まります。
・その他
高尿酸血症(痛風)や慢性腎臓病、脂肪肝なども生活習慣病の範疇に入り、糖尿病や肥満と関連して進行することがあります。
リスク要因
生活習慣病の発症リスクを高める要因には、主に次のようなものがあります。
・食生活の乱れ
高カロリー・高塩分・高脂肪の食品を過剰に摂取したり、野菜・食物繊維・魚を不足させたりすること。特に欧米化した食生活(肉・油脂の摂取増加)は日本人の肥満や高血圧の増加に影響しています。
・運動不足・座りっぱなし
デスクワークやテレビ視聴で体を動かす時間が減ると、エネルギー消費が低下し代謝が悪化します。これが肥満やインスリン抵抗性を招きます。
・肥満
肥満自体がリスクファクターで、肥満者では血糖や血圧、脂質の異常を合併しやすくなります。
・喫煙・過度な飲酒
喫煙は血管を傷つけ、心血管疾患リスクを高めます。過度な飲酒は肝障害・肥満の原因となり、高血圧・糖代謝異常を招きます。
・加齢
年齢が高くなるほど生活習慣病のリスクは増大し、特に40~60代で発症率が高くなります。加齢とともに血管や臓器の機能が低下するためです。
・遺伝的要因やストレス
家族歴に糖尿病や高血圧があるとリスクが高まります。また慢性的なストレスも自律神経や内分泌系に影響し、間接的に生活習慣病を助長する要因になります。
なぜ増えているのか
近年、生活習慣病が増加傾向にある背景には、社会構造や生活環境の変化があります。
戦後の経済発展以降、食生活は欧米化が進み、肉類・脂肪・加工食品の摂取量が増え、米や魚の消費が減少しました。一方、労働形態の変化や娯楽の普及で運動量の低下・座位時間の増加がみられます。これらにより肥満やメタボが増え、結果として高血圧や糖尿病といった生活習慣病の患者数が増加しています。
実際、厚生労働省の資料では糖尿病患者は直近5年で1.2倍に増加し、糖尿病や高血圧の有病者数は数百万~数千万人規模にのぼると報告されています。たとえば、高血圧有病者は約3100万人に達し、糖尿病も患者数700万人以上、予備群(発症前状態)も多く存在します。また高齢化も一因で、平均寿命延伸に伴って中高年での生活習慣病が増えています。こうした背景から、生活習慣病は日本人の死因の多く(特に循環器疾患やがん)を占めるに至っています。
生活習慣病予防のポイント
生活習慣病の予防には、生活習慣の改善が重要です。具体的には、塩分・脂肪を控え野菜・果物・魚中心のバランスの良い食事、定期的な運動、適正体重の維持、禁煙・節酒、十分な睡眠とストレス管理などが基本となります。
早めの健康診断で血圧・血糖・脂質などをチェックし、異常があれば生活指導や医療機関での管理を行うことで重症化を抑えることが期待されます。生活習慣病は進行すると回復に時間がかかる場合もあるため、若いうちから日常の生活習慣を見直すことが大切です。
