2025年6月05日
健康診断や人間ドックで便潜血検査の結果が「陽性」と出たけれど、特に症状もないし忙しいからと放置していませんか?
実はそれ、とても危険なんです。便潜血検査陽性を放置するリスクや、適切な対処法(大腸カメラによる精密検査)について、わかりやすく解説します。大腸がん検診で陽性が出たみなさまが安心して一歩を踏み出せるよう、解決策を提示します。

便潜血検査とは?胃カメラ・大腸カメラと並ぶ重要検査!
まず便潜血検査とはなんでしょうか。便潜血検査とは、その名のとおり便に目に見えない微量の血液が混じっていないか調べる検査です。大腸にポリープやがんなどの異常があると微少な出血が起こることがあります。便潜血検査ではその微量な出血を検出します。病院で行う胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)や大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)のように直接内視鏡を挿入する検査と比べて、便潜血検査は便を提出するだけの簡単な検査です。痛みもなく、自宅でできることから、健康診断や人間ドックで広く採用されており、多くの方が受けています。

湖南市Hpより参照 https://www.city.shiga-konan.lg.jp/soshiki/kenko_fukushi/kenko_seisaku/kenshin/gankensin/33888.html
日本では40歳を過ぎたら毎年1回の便潜血検査による大腸がん検診を受けることが厚生労働省より推奨されています。この検査を定期的に受けることで早期に大腸がんを発見でき、結果的に大腸がんによる死亡リスクを下げられることが科学的に証明されています。実際、便潜血検査を毎年受けて陽性が出た場合に、必ず精密検査を受けることで大腸がんによる死亡がさらに減少すると考えられており、大腸がん検診として非常に有効な方法です。
便潜血検査が「陽性」であることの意味は?
便潜血検査で「陽性」の判定の場合、検体から血液が検出されたことを意味します。ただし、陽性=大腸がん確定というわけではありません。便に血が混じる原因には以下のようなものがあります。
- 大腸がん:大腸にできた悪性腫瘍。早期がんの場合にはごく少量の出血しか起こさないこともあります。
- 大腸ポリープ:大腸粘膜にできる良性の腫瘍で、 種類によっては放置することで将来がん化するものもあります。ポリープがこすれてわずかに出血し便潜血陽性となる場合があります。
- 痔や腸の炎症:痔核(いぼ痔)からの出血や腸炎などでも陽性になることがあります。この場合は大腸自体に腫瘍はありませんが、便に混じった血液が痔由来なのか大腸の病変からの出血かは精密検査をしないと判断できません。
ポイントは、便潜血検査の陽性は「大腸に何らかの異常がある可能性」を示すサインだということです。ありがちな間違いとして、「2回検査して1回だけ陽性だったけど1回陰性だったから大丈夫かな?」と考える方もいますが、それは誤りです。2日法のうち1回でも陽性反応が出れば精密検査が必要とされています。なぜなら、大腸からの出血は常に起こるとは限らず、たまたま1回の便にしか血液が検出されなかった可能性もあるからです。したがって、「陽性」と言われた時点で必ず精密検査を受ける必要があるのです。
陽性を放置してはいけない理由
便潜血検査で陽性と指摘されたにも関わらず、精密検査を受けず放置してしまうのは極めて危険です。その主な理由を整理すると次のとおりです:
- 自覚症状がなくても大腸がんが進行していることがある:大腸がんは早期では症状が出ないことはよくあります。検査で陽性が出た時点で既に自覚症状のない早期がんが存在する可能性もあります。症状がないからと安心せず、陽性の場合には早急に対応することが肝心です。
- ポリープのうちに発見すればがんを予防できる:仮に陽性の原因が良性の大腸ポリープだった場合でも、内視鏡で切除を行うことで、将来そのポリープががんになることを防げます。逆に放置することで、ポリープが大きくなり、がん化する可能性もあります。
- 便潜血検査をもう一度だけ受けても意味がない:一部の方は「もう一度便潜血検査をやり直して陰性なら安心」と考えることがあります。しかしそれは誤解です。便潜血検査を繰り返し受けても精密検査の代わりにはなりません。たとえ次に陰性になっても病変が消えるわけではなく、出血が一時的に止まっている可能性があるだけです。
- 放置により手遅れになるケースも:陽性を無視して次の健診まで放置した結果、次に検査したときには進行がんになっていたというケースも実際にあります。早期がんなら内視鏡や手術で完治が期待できますが、進行がんでは治療が難しく命に関わります。大腸がんは日本人で多いがんの一つで、女性ではがん死亡原因の第1位にもなっています。毎年5万人以上が大腸がんで亡くなっている現実を踏まえると、陽性を見逃すことの重大さがわかると思います。
実際のところ、日本では大腸がん検診で陽性となっても精密検査を受けていない人が少なくありません。そのため、せっかく検診を受けても大腸がん死亡率の十分な低下につながっていないのではという指摘もされています。裏を返せば、陽性後にきちんと精密検査を受ければ大腸がんによる死亡をさらに減らせる可能性が高いです。「要精密検査」と結果に書かれていたら、必ず精密検査を受けましょう。
精密検査=大腸カメラで何をするの?
便潜血検査が陽性になった場合に行う精密検査とは、通常大腸内視鏡検査(大腸カメラ)のことを指します。大腸カメラでは肛門からカメラを挿入し、大腸の中を隅々まで直接観察する検査です。厚生労働省も便潜血陽性時の精密検査として大腸カメラを受けることを強く推奨しており、その理由は以下の通りです。
- 精度の高さ:大腸内視鏡検査は大腸の中を直接目で見て確認するため、がんやポリープの有無を高い精度で診断できます。他の検査(バリウム注腸X線検査やCT検査)よりも確実で、見落としが少ない方法とされています。
- その場で治療も可能:内視鏡検査中にポリープが見つかれば、サイズや形態によってはその場で切除することができます。組織を採取して生検(顕微鏡検査)することも可能です。一度の検査で診断から治療まで行える点で、大腸カメラは大腸がんを予防することもできる唯一の検査と言えるでしょう。
- 身体への負担が比較的少ない:お腹を切る手術とは異なり、内視鏡検査は日帰りで行えます。検査当日に腸をきれいにする下剤の服用が必要ですが、検査自体は鎮静剤を使ってウトウトした状態で受けられ、検査時の記憶が薄れるため、苦痛は最小限で済みます。
初めて大腸カメラを受ける方は不安もあるかもしれませんが、「陽性」の結果が出た方にとって大腸内視鏡検査は命を守るための必要なステップです。怖がる気持ちを持つ必要はありません。鎮静下で痛みがほぼなく受けられますし、もし異常がなければそこで安心できますし、異常が見つかっても早期ならその場で治療できるます。医師から「要精密検査」と説明を受けたら、できるだけ早めに大腸カメラの予約を取りましょう。
横浜駅前ながしまクリニックで安心の検査を!
「陽性と言われたけど、どこで大腸カメラを受ければいいの?」とお悩みの方へ。横浜周辺にお住まいなら、横浜駅前ながしまクリニックでの受診をご検討ください。当クリニックは横浜駅から徒歩3分と通いやすく、消化器内視鏡のスペシャリストによる苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラ検査を提供しています。院長は内視鏡検査実績1万件以上であり、鎮静剤の使用など患者様の負担軽減に配慮した安全・丁寧な検査を心がけています。大腸カメラと同時に胃カメラを実施することも可能ですので、胃腸全体のチェックをご希望の方にも対応可能です。
健康診断や人間ドックで便潜血検査が陽性となった方、あるいは「最近お腹の調子が悪いけど忙しくて検査を先延ばしにしている」という方は、ぜひ一度当院にご相談ください。早期発見・早期治療が何より大切です。放っておいていいことは一つもありません。大病を未病に!!私たち横浜駅前ながしまクリニックが皆様の健康を全力でサポートします。一緒に不安を解決し、安心につなげましょう!