2025年6月04日
~おさらいですが・・・~
●子宮頸がんって? 子宮頸がんは子宮の入口(子宮頸部)にできるがんで、子宮がん全体の約7割を占めます。かつては40〜50代が主流でしたが、近年は20〜30代の若い女性で増加し、発症ピークは30代後半。妊娠・出産を考える年代での発症が目立っています。
●子宮頸がんの原因は?
子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが原因です。HPVはありふれたウイルスで、性交渉の経験があれば誰でも感染の可能性があります。多くのHPV感染は自然に排除されますが、長期間(持続)感染が続くと、がんのリスクが高くなることがわかっています。
ワクチン+検診のダブル予防!
9価ワクチン(シルガード9)を含むHPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPV型の*80〜90%*をカバーし、がん予防に高い効果が期待できます。
また、定期的な子宮頸がん検診を組み合わせることで、がんの発症をほぼ防げると報告されています。
~ここまでは以前にシルガードのブログでご説明した内容です~ 👇
異形成・子宮頸がんのなり方
子宮頸がんの原因となりうるHPV感染がきっかけです。子宮頸部の上皮細胞がHPVに感染し、ウイルスが長くとどまると、細胞が感染したまま異常な細胞が増殖します。
上皮内にとどまるものを異形成、上皮を超えて周囲へ広がる(浸潤する)ものをがんと呼びます。
<ステップ>
- 一時感染:HPVの侵入
- 慢性化:HPV持続感染
- 異形成:前がん病変(CIN病変)
- がん化:浸潤がん(いわゆる子宮頸がん)
HPV感染=すぐにがん、ではありません!
感染者の80〜90%は1〜2年以内にウイルスを自然排除します。持続感染した一部だけががんリスクとなります。

子宮頸がん検診でひっかかった! 自分の結果を確認してみましょう!
▼細胞診の結果のみかた(通常の検診結果です)

結果に応じてコルポスコピーを含む精密検査(組織生検)が必要となり、精密検査の結果診断がつくこととなります。
組織検査(コルポスコピー)の方法に関しては次回②でまた詳しくご説明します。
当院でのHPVワクチン接種について
- *定期接種(小学6年〜高校1年相当)*は無料です。
- *キャッチアップ接種(1997〜2007年度生まれ)*は2025年3月31日まで!に初回接種を済んでいる方は無料。対象の方はお早めに!
- 当院では4価(ガーダシル), 9価(シルガード9)を取り扱っています。接種スケジュールや費用などお気軽にご相談ください。


MSD株式会社Hpより参照 https://www.msdconnect.jp/products/gardasil-silgard9/
ワクチン接種後も検診は必須!
ワクチン接種後も検診は必須!
ワクチンで予防できないHPV型も存在します。20歳になったら2年に1回の検診を忘れずに。
*横浜市は20~29歳, 61歳~は2年ごと、30-60歳は異常がなければ5年ごとの検診です。
子宮頸がんの詳しい検査は当院まで!!
当院では子宮頸がん検査、婦人科検診で引っかかった方の再検査だけでなく、月経困難症などに対するピル診療、更年期障害、妊娠検査など幅広く診療を行っております。
横浜のみなさまに安心して受診いただけるレディースクリニックとして、女医による診療を行っております。
ご相談、診療希望の方は下記よりご予約をお願いします。
みなさまの健康、未来を一緒に守りましょう!
参考・引用
- 厚生労働省「HPVワクチンに関するQ&A」(2025年)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html
- 日本産科婦人科学会「子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために」(2025年)
https://www.jsog.or.jp/citizen/5765/
- WHO/IARC Cervical Cancer Elimination Initiative (2024年)
https://www.who.int/initiatives/cervical-cancer-elimination-initiative
- MSD 株式会社資料