2025年5月13日
現在、子宮頸がんの予防接種として使用されているワクチンは、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、そして最新の9価ワクチン(シルガード9)の3種類があります。
令和5年(2023年)4月から、シルガード9も公費で接種できるようになりました。
当院では、この新しいワクチンシルガード9を取り扱っております。

MSD株式会社Hpより参照
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◆子宮頸がんとは?
子宮頸がんは、子宮の入り口部分で発生するがんで、子宮がんの中で約7割を占めています。以前は40~50歳代で発症することが多かったですが、近年では20~30歳代の若い女性に増えており、30代後半がピークとなっています。女性の社会進出や晩婚化が進む中、妊娠可能年齢の女性が子宮頸がんを発症するケースが増えているのが現状です。
◆子宮頸がんの原因とは?
子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが原因です。特に、HPVに感染することが主な原因とされています。ほとんどのHPV感染は自然に治りますが、長期間続く感染ががんのリスクを高めることが分かっています。
◆シルガード9とは?
シルガード9は、子宮頸がんを引き起こす可能性のある7種類のHPV(HPV16、18、31、33、45、52、58型)に加え、尖圭コンジローマ(性器にできるイボ)の原因となるHPV6型と11型にも対応する9価ワクチンです。これにより、子宮頸がんの原因となる80~90%のHPV感染を予防することができます。
HPVは、皮膚や粘膜に感染するウイルスで、性交渉を通じて感染します。シルガード9を接種することで、これらのウイルスに対する免疫を獲得し、将来のがんリスクを大幅に減らすことができます。特に、初めて性交渉を持つ前に接種することが推奨されています。
◆定期接種の対象者
小学校6年生から高校1年生までの女子が対象となっています。
接種方法は筋肉注射で、接種回数は以下の通りです:
- 初回接種年齢が15歳未満の場合、2回接種
- 初回接種年齢が15歳以上の場合、3回接種

厚生労働省Hp参照
◆副作用について
子宮頸がんワクチンを接種する際、親御さんは副作用について心配になることが多いでしょう。
ワクチン接種後に見られる副作用には以下のようなものがあります:
高頻度の副作用(10%以上)
- 注射部位の赤み・腫れ・痛み
- 頭痛・腹痛・関節痛
低頻度の副作用
- 発熱
- めまい
- 失神
注意が必要な副作用(頻度不明)
- アナフィラキシー(アレルギー反応)
- 急性散在性脳脊髄炎
- ギランバレー症候群
- 血小板減少性紫斑病
基本的には、安全に接種できるワクチンですが、初めて投与する薬剤であるため、アレルギー症状や気分不快、失神などが起こることがあります。接種後はクリニックで30分間安静に過ごすことが推奨されます。また、接種当日は無理をせず、安静に過ごすようにしてください。
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/1-2.pdf
◆世界の子宮頸がん罹患率
子宮頸がんは、世界中で女性にとって最も一般的ながんの1つです。特に、発展途上国や低所得国では、その罹患率が高く、毎年約57万人が新たに診断され、そのうち約31万人が亡くなっています。先進国では、子宮頸がんによる罹患率は比較的低いものの、依然として発展途上国では高い罹患率が続いています。その理由としてはHPVワクチン接種の普及率が関連しているといわれています。
https://www.jsog.or.jp/uploads/files/jsogpolicy/WHO-slides_CxCaElimination.pdf
◆まとめ
子宮頸がんは、HPVウイルスによって引き起こされ、HPVワクチン接種によってその予防が可能です。ワクチンの接種がご不安なかたもいらっしゃるかと思います。まずはぜひ相談にいらっしゃってください。ご不安な点をお伺いします。
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