2026年02月03日
高血圧とは(定義と現状)
高血圧とは、動脈の血圧が慢性的に高い状態を指します。診察室で測定した収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。日本では成人の約3人に1人、人数にして4,000万人以上もの人が高血圧と推計されています。しかしそのうち治療を受けているのは約1,000万人程度とされ、多くは自覚がないまま放置されているのが現状です。高血圧は生活習慣病の一つであり、加齢や塩分の過剰摂取、肥満、ストレスなど様々な要因で起こります。

高血圧の症状
高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」とも呼ばれるほど、初期にはほとんど自覚症状がありません。多くの人は血圧が高くても自分では異常に気付かず、日常生活に支障もないため放置しがちです。ごく稀に、血圧が急激に非常に高い状態(収縮期180mmHg以上など)になると頭痛・めまい・動悸などの症状が出ることもありますが、通常の高血圧では症状が出ないまま静かに進行します。そのため、自分の血圧の状態を知るには定期的に測定するしか方法がありません。健康診断や家庭で血圧をチェックし、指摘された場合は油断しないことが大切です。
症状がなくても危険な理由

高血圧によって生じる主な合併症には以下のようなものがあります
脳血管疾患(脳卒中)
心臓病
腎臓病
血管の障害
目の病気
高血圧がこのように様々な臓器の病気を引き起こすのは、高血圧そのものがこれらの病気の大きな原因となるためです。実際、長年にわたり高血圧の状態が続くと、脳卒中(脳出血・脳梗塞)や心臓病、腎不全などによって亡くなる方が年間約10万人にも上るとの推計もあります。症状がないからといって決して軽視してはいけない理由がお分かりいただけるでしょう。
高血圧への対策:予防と治療
症状がなくても危険な高血圧ですが、幸いなことに適切な対策を取ることで十分予防・改善が可能です。まず重要なのは日頃の生活習慣の改善です。
減塩
適度な運動
体重管理
節酒・禁煙
こうした生活習慣の改善によって、多くの場合は血圧のコントロールが期待できます。それでも血圧が高い場合には、医師の判断で降圧薬による治療も行われます。適切な薬物療法によって血圧を下げれば、何もしない場合に比べて心筋梗塞や脳卒中のリスクを大幅に減らせることが多くの研究で示されています。実際に高血圧の治療により、脳卒中や心不全の発症率が著しく低下したとの報告もあり、高血圧を放置せず治療する意義は非常に大きいのです。
高血圧と上手に付き合うポイント
まずは定期的に血圧を測定し、自分の血圧を把握しましょう。もし健診などで高血圧を指摘されたら放置せず医療機関に相談してください。症状がなくても油断は禁物です。生活習慣の改善と必要な治療によって、将来の重大な合併症を防ぎ、健康な生活を長く維持することができます。家族に高血圧の方がいる場合も一緒に日頃の生活を見直し、お互いに声をかけ合って予防に取り組むことが大切です。高血圧は沈黙のうちに進行しますが、適切な対策によって決して怖がる必要のない“コントロール可能な疾患”です。定期的な血圧チェックと早めの対応で、大切な健康を守りましょう。
