2026年01月15日
胃はみぞおちあたりに位置し、食道(胃の入り口)と十二指腸に繋がる袋状の消化器官です。日本では50歳代から胃がんの患者数が増加し、発症のピークは60代にあります。特に男性は女性の約2倍かかりやすい傾向です。胃がんは早期に見つかれば高い確率で治る病気ですが、初期には自覚症状がほとんど現れないため要注意です。初期症状がないまま病気が進行し、気づかない間にかなり進んでしまうケースも少なくありません。そのため、40代以上は定期的な胃がん検診を受けることが非常に重要です。

見逃しやすい胃がんのサイン
胃がんの初期には症状がほとんどありませんが、進行に伴って体にさまざまな変化が現れます。次のような症状が現れたら注意しましょう。

・みぞおちの痛み・胃痛
胃に潰瘍を伴っている場合などに起こりやすい症状です。
・胸やけ・胃もたれ
胃の出口や通り道が狭くなることで、食後に胸が熱く感じたり、胃に物が残る感じがします。
・吐き気・嘔吐
特に食欲不振や胃の違和感と同時に吐き気が続く場合は注意が必要です。
・食欲不振・体重減少
食べる量が減っていないのに痩せてきたら、胃の働きの低下が疑われます。
・黒い便(タール便)・貧血症状
胃の中で出血があると、便が黒っぽくなることがあります。また血液の吸収不良で貧血気味になる場合もあります。
以上の症状は胃がんの進行で見られることがありますが、症状が現れる頃にはがんが進んでいる場合が多い点に注意が必要です。とはいえ、初期の胃がんではこれらの症状がほとんどなく、見逃されやすいことが実情です。「いつも胃がムカムカする程度だから大丈夫」と自己判断せず、上記のようなサインに少しでも心当たりがあれば早めに医療機関で検査を受けましょう。
検診・胃カメラで早期発見を

胃がんの確定診断には上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)が用いられます。胃カメラでは口または鼻から内視鏡を入れて胃の内部を直接観察し、疑わしい部分から組織を採取して詳しく調べます。この検査によって早期の小さな病変でも発見でき、早期治療につながります。人間ドックや健診で胃カメラが選べる場合は積極的に受けて、定期的にチェックすることが大切です。
また、胃の検査と合わせて大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)を行うこともあります。大腸がんは初期にほとんど自覚症状がないため、40歳以上の方は胃カメラと同様に大腸カメラ検査も視野に入れておくと安心です。国の胃がん検診では50歳以上を対象に2年に1度の受診を推奨しており、検診の項目にはバリウム検査か胃カメラ検査のどちらかが含まれています。症状のないうちに定期検診を受けることで、胃がんで亡くなるリスクを減らすことができます。
早期発見のポイント
胃がんは早期に治療すればほぼ治癒が可能で、生存率がぐんと高くなります。逆に進行胃がんは治療が難しく、予後も厳しくなるため、早期発見が何より重要です。定期的な検診とともに、上記の初期症状チェックを習慣づけることで、万が一のときにも早く気づけるようにしましょう。黒い便や吐血などは急を要するサインです。気になる症状があれば「次の検診まで待とう」と思わず、早めに消化器内科を受診してください。
胃がんは「知らないと怖い病気」です。健診や人間ドックでしっかりチェックし、症状が出たら早めに専門医に相談しましょう。早期発見・早期治療で元気な生活を守りましょう。
