2025年5月15日
40歳を過ぎると、「自分にはまだ関係ない」と思いがちな大腸がん。しかし実は、この年代から大腸がんのリスクは大きく高まります。大腸がんは日本人にとって非常に身近ながんであり、近年その患者数も死亡者数も増加傾向にあります。実際、2020年には新たに診断されたがんの中で大腸がんが最多となり、全体の約15.6%にのぼりました。さらに大腸がんは死亡原因としても無視できません。女性では大腸がんががん死亡原因の第1位であり、男性でも肺がんに次ぐ第2位を占めています。日本では毎年5万人以上もの方が大腸がんで命を落としているのです。このように40代以降の私たちにとって、大腸がん検診は決して他人事ではありません。
大腸がんは40代から急増し、50代以降でさらにリスクが高まります。上のグラフは年代別に大腸がんの発症率を示したものですが、40歳を境に右肩上がりになることがわかります。こうした背景から、日本では40歳以上を対象に毎年1回の大腸がん検診が推奨されているのです。早めに検診を受け始めることで、大腸がんによる死亡リスクを大幅に減らすことができます。
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便潜血検査と大腸カメラの違い:どちらが安心?
大腸がん検診として一般的なのは便潜血検査(検便)です。これは2日分の便のサンプル中に血液が混じっていないか調べる検査で、体への負担も少なく手軽に受けられるという利点があります。自治体の健康診断や会社の定期健康診断でも、この便潜血検査が40歳以上から毎年行われています。しかし、便潜血検査だけで本当に安心できるのでしょうか?
結論から言えば、便潜血検査には限界があります。例えば進行した大腸がんがあっても約30%は陰性(見逃し)となり、逆に陽性と言われても3~4割は精密検査で異常が見つからないことがあります(偽陽性)。さらに、小さなポリープや早期の大腸がんは便潜血では発見できません。要するに、検便が陰性だったからといって「自分は大丈夫」とは言い切れないのです。
実際のところ、便潜血検査の結果に関わらず一度は大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受けることが重要です。大腸カメラであれば、肉眼で大腸の内部を直接観察できます。上の図にあるように、小さなポリープ(大腸粘膜の隆起病変)もその場で発見できますし、必要に応じて組織を採取して検査(生検)することも可能です。さらに、大腸カメラ検査中にポリープを見つけた場合はその場で切除することもできます。こうした点で、大腸カメラは「発見」と「治療」を同時に行える検査と言えます。便潜血検査がスクリーニング(ふるい分け)に適した検査だとすれば、大腸カメラは最終確認かつ治療まで可能な精密検査なのです。
大腸カメラの精度と予防効果:早期発見・ポリープ切除のメリット
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)の最大のメリットは、その高い精度と予防効果にあります。前述の通り、内視鏡を使って直接腸の中を見るため、小さな異常も見逃しにくく、平坦な病変や色調変化なども把握できます。経験豊富な内視鏡専門医が検査を行えば、ごく早期の大腸がんや前がん病変(ポリープ)を発見できる確率は非常に高くなります。また、その場でポリープを切除すれば将来そのポリープががんに進行するのを防げます。実際、大腸がんの多くは良性のポリープから段階的にがん化することが知られており、早めに除去することで大腸がんそのものを予防できるのです。
早期に発見された大腸がんなら治癒率も高いことがわかっています。大腸がんのステージI(もっとも初期)での5年生存率は93〜97%にも達します。一方で進行がんになるほど生存率は下がり、ステージIV(遠隔転移あり)では約15%ほどに落ち込んでしまいます。つまり、大腸カメラ検査によって早期に発見・治療することができれば、大腸がんは「治りやすいがん」なのです。検査を先延ばしにせず、適切なタイミングで内視鏡検査を受けることが、あなたの健康を守る何よりの近道になります。

国立がん研究センター中央病院Hpより参照
検査は何歳から?どのタイミングで受けるべき?
では、具体的にいつ大腸カメラ検査を受けるのが望ましいのでしょうか。ポイントとなる年齢はやはり「40歳」です。日本対がん協会などの指針でも大腸がん検診は40歳以上を対象としています。大腸がんは40代から増え始め、50代以降で一気に患者数が増加するため、遅くとも40歳になったら一度は内視鏡検査を受けることが推奨されます。特に40歳を過ぎてまだ一度も大腸カメラを受けたことがない方は、この機会に検討してみてください。
一度検査を受けて異常がなかった場合、次の検査までの間隔は明確には示されていませんが、3年程度が良いと考えております。これは大腸がんがポリープからがん化するまでにある程度時間がかかるためで、リスクが低ければ毎年内視鏡を受ける必要はないという考え方です。ただし、ポリープが見つかって切除した場合や家族に大腸がんの人がいる場合などは、医師と相談のうえ1〜2年後に再検査することが推奨されます。また、便潜血検査で陽性が出た場合や、お腹の不調(腹痛・下痢・便秘が続く)、便に血が混じるといった症状がある場合は、年齢に関係なく速やかに大腸内視鏡検査を受けましょう。「痔だから大丈夫」と自己判断せず、専門医によるチェックを受けることが大切です。
気になる費用と保険適用:賢い検診の受け方
検査を受けたいと思っても、費用が心配という方も多いでしょう。大腸カメラ検査の費用は受ける状況によって大きく異なります。大きく分けると、(1)自治体の検診や会社の健診で便潜血検査を受け、陽性だった場合に保険診療で内視鏡を受けるケース、(2)症状があり医療機関を受診して医師の判断で保険適用の内視鏡検査を受けるケース、(3)人間ドックなど自費で直接内視鏡検査を受けるケース、の三つが考えられます。
まず(1)や(2)の健康保険が適用される場合、自己負担は3割になります。大腸カメラ検査のみで異常がなく観察だけで終われば自己負担5,000〜7,000円程度が一般的です。組織検査(生検)を行った場合は+数千円、ポリープ切除を行った場合でも自己負担2〜3万円程度が目安と報告されています。一方、(3)の人間ドックなど自費診療の場合は、検査費用は医療機関が自由に設定でき、全額自己負担となります。大腸カメラ単独でも約2万円が相場で、麻酔やオプションを加えるとさらに高額になることもあります。自治体の行う大腸がん検診(便潜血検査)は無料〜数百円と格安ですので、まずはそれを受けて陽性だったら保険診療で大腸内視鏡というのが費用面では安心です。また、どうしても自分のタイミングで内視鏡検査を受けたい場合は、人間ドック専門施設を利用するのも一つの方法です。その際は費用と得られる安心を天秤にかけ、無理のない範囲で検査を計画すると良いでしょう。
上の図は大腸がん検診の種類と費用の目安をまとめた日本語のインフォグラフィックです。左側には便潜血検査や内視鏡検査など各検査法が示され、その横におおよその費用と保険適用の有無が記載されています。例えば、便潜血検査は数百〜千円程度、大腸内視鏡検査は保険適用で自己負担数千円(自費なら2万円前後)といった情報が視覚的に整理されています。人間ドックで内視鏡検査を行う場合は全額自己負担になりますが、時間の節約や一度で複数の検査を済ませられるといった利点もあります。このような情報を参考にしながら、ご自身に合った方法で賢く検診を活用しましょう。
横浜駅前ながしまクリニックで受けられる大腸カメラ
「痛い」「恥ずかしい」「時間がかかりそう」といったイメージから、大腸カメラに尻込みしている方もいらっしゃるかもしれません。当院横浜駅前ながしまクリニックでは、そうした不安をお持ちの方にも安心して検査を受けていただける体制を整えています。
まず、担当するのは内視鏡専門医である院長です。院長はこれまでに1万件以上の内視鏡検査の経験を有しており、豊富な知識と技術で安全かつ的確に検査を行います。また、検査時には鎮静剤(鎮痛剤)を使用することで、ウトウトと眠っているような状態で苦痛の少ない内視鏡検査が可能です。最新式の内視鏡システムも導入しており、AIによる画像診断支援機能など大学病院レベルの最新機器を駆使して微細な病変も見逃しません。検査中のモニタにはポリープが映ればAIが枠で強調表示してくれるなど、高度な診断補助も受けられるため、精度の高い検査が実現できます。
加えて、当院では胃カメラ(上部内視鏡)と大腸カメラを同日に行うことも可能です。忙しくてなかなか時間が取れないビジネスパーソンの方でも、1日で胃と大腸の両方の内視鏡検査を受けられるので効率的です。もちろん、これらは人間ドックのメニューとして組み込むこともできます。職場の健康診断や市の検診で便潜血検査を受けて異常を指摘された方はもちろん、「40歳を迎えたのを機にしっかり調べておきたい」という方も大歓迎です。当院は横浜駅から徒歩3分とアクセスも良好で、平日18時まで(土曜も午前中)は診療を行っています。リラックスできる院内環境と丁寧なスタッフ対応で、初めての方でも安心して大腸カメラ検診を受けていただけます。
まとめ
40歳を過ぎたら、大腸がん検診としての大腸カメラをぜひ前向きに検討してみてください。大腸がんは早期発見・早期治療できれば怖がる必要のない病気です。そのためにも、大腸内視鏡検査という強力な予防・診断ツールを上手に活用しましょう。横浜駅前ながしまクリニックでは、苦痛の少ない内視鏡検査で皆様の健康をサポートいたします。大切なあなたの体を守るために、今できることから始めてみませんか?大腸がん検診の一歩を踏み出すお手伝いができれば幸いです。
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