内視鏡検査は怖い → 「やってよかった」に変わる理由|横浜市横浜駅前の消化器内科・婦人科・内科|横浜駅前ながしまクリニック

〒221-0835神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-11-8 4階

045-534-8147

Instagram 予約について

内視鏡検査は怖い → 「やってよかった」に変わる理由

内視鏡検査は怖い → 「やってよかった」に変わる理由|横浜市横浜駅前の消化器内科・婦人科・内科|横浜駅前ながしまクリニック

2025年8月10日

内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)に対して「怖い」「痛いのでは」と不安を抱く方は少なくありません。実際、ある研究では検査前に過半数の患者が中程度以上の不安を感じており、その理由には「胃カメラで喉がオエッとなるのでは」「大腸カメラの痛みが強いのでは」といった検査自体への恐怖、下剤による腸の準備のつらさ、恥ずかしさ、合併症リスクへの心配、鎮静剤(軽い麻酔)への不安、さらには「もし検査でがんが見つかったら…」という結果への恐れなどが挙げられています。こうした不安を感じるのは自然なことですが、近年は苦痛を軽減する工夫や検査のメリットに関するエビデンスが増え、「受けてよかった」と感じる人も多くなっています。では、どのように「怖い」気持ちを和らげ、「やってよかった」と思えるのでしょうか。

苦痛や不安を和らげる最新の工夫

鎮静剤の使用(静脈注射による軽い麻酔)によって、内視鏡検査の苦痛や恐怖心は大きく軽減できます。鎮静下ではうたた寝した状態で検査を受けられるため、不安や恐怖のレベルが著しく低下し、検査後の満足度も向上することが報告されています。実際、ある比較研究では鎮静剤を使った人の70%が「また検査を受けてもよい」と感じたのに対し、無鎮静では25%にとどまったとされています。日本でも近年は鎮静剤を用いた内視鏡が普及しており、多くの施設で対応可能です。医師と相談し、必要に応じて鎮静剤の利用を検討すると良いでしょう。

経鼻内視鏡(鼻から入れる胃カメラ)も不安軽減の有力な選択肢です。経鼻では口からの挿入に比べスコープが細く、舌の付け根を刺激しにくいため強い「オエッ」という嘔吐反射が起こりにくい特徴があります。ある研究では経鼻内視鏡ではわずか0.6%の患者しか嘔吐反射が起こらなかったのに対し、従来の経口胃カメラでは28.3%に嘔吐反射が生じたと報告されています。このように経鼻内視鏡は苦痛が少なく、鎮静剤なしでも受けやすい方法です。医療機関によっては経鼻に対応している場合もありますので、希望する方は事前に確認するとよいでしょう。

さらに現在では、内視鏡スコープ自体の細径化や挿入技術の進歩、腸管内の二酸化炭素送気(体内で速やかに吸収されお腹の張りを和らげる)など、患者さんの負担を減らす工夫が数多く導入されています。また、多くの施設で内視鏡専門医や熟練スタッフが検査を担当し、できるだけ苦痛の少ない安全な検査を心がけています。過度に怖がる必要はありません。不安な点があれば事前に遠慮なく医師に相談し、対策について説明を受けましょう。

内視鏡検査の最大のメリット:早期発見と安心

「怖い」気持ちを乗り越えてまで内視鏡検査を受ける価値がある最大の理由は、そのメリットが非常に大きいことです。胃がん・大腸がんはいずれも内視鏡検査で早期発見しやすいがんであり、早期に見つけて適切な治療を受ければ90%以上が治るとも言われています。実際、早期がんであれば内視鏡で切除できる場合も多く、開腹手術に比べ体への負担が格段に小さい治療が可能です。例えば胃がんでは、がんが粘膜内にとどまってリンパ節転移の可能性が低ければ内視鏡的切除(ESDなど)で一度に取り切ることができ、胃を残せるため術後の生活への影響も少なくて済みます。大腸でもポリープや早期がんなら内視鏡で摘除でき、将来の大腸がん発症を防ぐことができます。

さらに内視鏡検査による定期的ながん検診は、がん死亡率の低下につながる確実な方法です。国内の大規模調査によれば、便潜血検査+内視鏡精密検査を受けていた人は受けていない人に比べ、大腸がんによる死亡率が約70%も低下していたとのデータがあります。また、海外の長期追跡研究では大腸内視鏡でポリープを取ることで大腸がん死亡リスクを半分近く減らせた(53%減少)という報告もあり、内視鏡検査が命を守る有効な手段であることが裏付けられています。

検査を受けた多くの方は、「思ったほど苦しくなかった」「不安が解消して安心できた」と検査後に感じるものです。特に大きな異常がなければその安心感は何にも代えがたいでしょうし、仮に早期の異常が見つかった場合でも、「早めに発見できてよかった」と前向きに治療に取り組めるはずです。実際、検査前は不安いっぱいだった人が、検査後には「やってよかった」と感じるケースは少なくありません

おわりに:不安な気持ちを一歩乗り越えて

内視鏡検査に対する不安や怖さは誰にでもあるものです。しかし、適切な鎮静法や技術によってその苦痛は大きく和らげられ検査から得られるメリット(安心感と病気の早期発見・早期治療)は不安を上回ることがわかっています。医師やスタッフもできる限り快適に検査を受けられるよう努めてくれますので、心配な点は遠慮なく相談してください。勇気を出して一歩踏み出し、内視鏡検査を受けてみた後にはきっと「案ずるより産むが易し」で、「受けてよかった」と感じられることでしょう。その経験が、ご自身の健康への安心と将来への大きな財産になるはずです。

TOP