鎮静剤を使用した内視鏡検査とは

このような方に鎮静剤の使用がおすすめです

鎮静剤の使用は以下のような方に特に有効です。

胃カメラ検査

大腸カメラ検査

鎮静剤を使用するメリット・デメリット

メリット

デメリット

内視鏡検査で使用する鎮静剤の種類

ミダゾラム

全国的に最も使用頻度の高い鎮静剤です。強力で速効性のあるベンゾジアゼピン系薬剤です。検査の間のみ作用する短時間の睡眠薬のイメージです。血管痛は少なく、即効性があります。閉塞隅角緑内障や重症筋無力症などの方は症状増悪させる可能性があります。

ホリゾン（ジアゼパム）

ベンゾジアゼピン系の鎮静剤で、軽度の鎮静効果を持ちます。ミダゾラムと同系統のお薬ですが血管痛があり、やや作用時間が長めになります

ペチジン

鎮痛効果を持つオピオイド系薬剤で、特に大腸カメラで使用されます。痛みを軽減させ、嘔吐反射を抑制する効果があります。鎮静作用はないため、単独使用でも眠気は起こりません。

鎮静剤が使用できない人

以下の条件に該当する方は鎮静剤の使用が推奨されない場合があります。

• 重度の呼吸器疾患や心疾患を持つ方
  鎮静剤が呼吸や循環に影響を与えるリスクがあるため。
• 妊娠中の方
  一部の薬剤が胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
• 薬物アレルギーがある方
  鎮静剤や鎮痛剤にアレルギーがある場合。
• 過去に鎮静剤使用後の重大な副作用を経験した方
• 重度の肝機能や腎機能障害がある方
  鎮静剤の代謝・排泄が遅れるリスクがあります。

鎮静剤による副作用

鎮静剤の使用に伴う主な副作用には以下があります。

• 呼吸抑制
  過度の鎮静により呼吸が浅くなることがあります。
• 低血圧
  一時的に血圧が低下する場合があります
• めまいやふらつき
  効果が残る間、安定感を失うことがあります。
• アレルギー反応
  皮膚のかゆみや発疹、まれにアナフィラキシーを起こすことがあります。
• 記憶喪失
  一部の患者で一時的な記憶障害が起こる場合があります。

鎮静剤を使用した場合の費用について

鎮静剤の費用は比較的安価です。例えばミダゾラムは100円程度であり、健康保険を使用した場合は1割負担で10円、3割負担でも30円程度です。鎮痛剤のペチジンを加えることも多いですが、こちらも1割負担で45円程度、3割負担で130円程度です。
わずかな追加費用で、検査中の不快感を大幅に軽減し、検査の質を向上させることができるため、鎮静剤を使用するメリットは大きいと考えられます。